海は見ていた [VHS]
深川の遊郭を舞台にした話です。清水美砂、久しぶりに見たけれど、とても格好いいあねさんでした。気が強いつみきみほ、優しい遠野凪子とそれぞれが個性のある役で、かけあいも面白かったです。あねさんたちが着る衣装も個性的。皆が何かをしょっていて、それなりに苦労も悩みも恋もある。その中で生きていくということの力強さを感じました。お話はわりにたんたんとしている印象ですが、それぞれの人物の気持ちが出ていて心に残る話でした。
摂食障害。食べて、吐いて、死にたくて。
女優・遠野なぎこさんが、現役患者として摂食障害などの心の病について書かれた本です。
ただ、現役患者だからこそ生々しい描写がされているので、そういうのが苦手な人は注意された方がいいかもしれません。
しかし、まだ完治してない現役患者だからこそ、伝えられることがあるような気がします。
実際はこんなにひどいものなのか…と思い知らされます。
普通の医学書や心理学本の理屈っぽい感じのような淡々としたような感じではないです。
一応前作の続編になっています。
カミングアウト後のなぎこさんのポジティブな心境の変化がところどころ触れられていますし、
カミングアウト後に始めたブログの記事も一部入っています。
少しずつですが、成長と回復をされているようです。
彼女なりにポジティブに生きようと懸命に努力していて、
それこそ自己啓発書に出てくるようなポジティブな考えになる方法を実践しておられるようです。
最初の方の摂食障害に至る経緯は、正直前作とかぶる所がありますが、
摂食障害という視点で前作では語られなかった他の心の病や心情やエピソードも入ってました(スピード離婚や離婚後の激太りなど)。
何よりも母親からの虐待抜きには語れない部分があったと思われます。
真ん中は、摂食障害の症状だけでなく、身体醜形症、強迫性障害、対人恐怖症(赤面症、唇や手のふるえ)などの心の病について。
最後の方はブログで書いたベストの記事を少し編集されたような感じと、医師による摂食障害の説明もちょっとあります。
私は前作もブログも全部読んでいます。
ところどころ重なる部分がありましたが…何なんでしょうかね?
普通の小説を読むよりも、ぐいぐい引き込まれるものがあります。
彼女が芸能人だからか?心の闇の独特の世界観がそうさせるのか?それとも、なぎこさんの真摯な態度や知性のたまものなのか?
深いものを感じさせられる内容でした。
要約すると、人は愛なしに生きられない、といったところです。
摂食障害を始め数々の心の病、一般人から見れば異常行動と思われるものも、すべて愛情飢餓がそうさせていると感じました。
(愛情飢餓は加藤諦三氏の書籍から、「母という病」を書いた岡田尊司氏は愛着障害と呼んでいます)
少なくとも、なぎこさんの母親は虐待しています(殴られて鼻血が大量に出て青いバケツに溜めたりとか)。
それでも、なぎこさんは母に愛を求めてしまう。
男性に身を委ねている時ですら、母親の絶対的な愛を意識してる…
本題である摂食障害とダイエットの線引きは難しい。
しいてあげるとしたら、きとんと食べてダイエットを行っているのか、
それとも、愛情や賞賛が欲しくて、ひたすら体重を減らすことしか頭にないかの違いでしかないように感じました。
ろくに食べずにいることで、身体はカロリーや栄養を欲して、猛烈に食べたくなる衝動と(過食)、
太ったら愛されない、バカにされる愛情飢餓による恐怖心、パニックの繰り返し(嘔吐や拒食)のようです。
ダイエットをし、キレイになりたい行動は、愛されたい故の行動ですが、
アルコールを飲んでるからといって、誰もがアルコール依存症になるわけではないように、
ダイエットしたからといって、誰もが摂食障害になるわけではないです。
ただ少なくとも、なぎこさんの場合、母親に愛されて育たれなかったのが違いを生んだように思いました。
「アンタは醜い」「50キロ超えたらただのブタ」
確かに実の娘に言うことではないと思いました。
ブログの質疑応答ですが、私は傷の舐め合いでもいいと思います。
当事者同士でしかわかりあえないものがあるからです。
出産の痛みは女性にしかわからないものですし、失恋したことがない人に失恋の話をしてもわかることではないように、
病気は病気を経験してる人にしかわからないものです。
少なくとも、なぎこさんの書籍やブログは心の闇や心の病を持っている人にとっては、
心の癒し、心の寄り所、そして希望になっています。
ただの傷の舐め合いではなく、生きる力になっています。
なぎこさん自身が現役患者だからこそ、心の闇・心の病を理解をし、温かい言葉をかけてくれる母のような存在になっています。
そんな人は滅多にいないです。そこがなぎこさんの魅力だと思っています。
そして与えるということが、本人の回復・成長のためにも必要なことですしね。
なぎこさん自身も、自殺願望に捉われてきたからこそ、命に対するしっかりとした考えを持っていますから、
そうそう道を踏み外すことはないと思います。
また、よい友人やいい恋人に巡り会えたのも、なぎこさんにそれだけの人間性があるからだと思います。
やっぱり現役の患者さんが語るだけあって、心の病を抱えている人に対する接し方がやさしく、
一般の方でもどう接すればいいのか、いろいろヒントが散りばめられていて良かったです。
人よりも何倍も、人に嫌われしないかと、脅えてしまっているから、何よりも肯定が必要だということがよくわかりました。
それも、気を遣いすぎるよりも、サラッと自然体で付き合う感覚、そして好きという感覚。
それが何よりも特効薬になりうることを教えてくれた良書でした。
間違っても偏見を持ってはいけない。
1つの病気として、1つの個性として、理解していけばいいんだと勉強になりました。
人は愛なしに生きられない、そう物語ってるかのように感じました。
最近何かと多い虐待ですが、良い警鐘の本にもなると思います。
何よりも、なぎこさんが虐待をしないでほしいことを願っています。
ただ、現役患者だからこそ生々しい描写がされているので、そういうのが苦手な人は注意された方がいいかもしれません。
しかし、まだ完治してない現役患者だからこそ、伝えられることがあるような気がします。
実際はこんなにひどいものなのか…と思い知らされます。
普通の医学書や心理学本の理屈っぽい感じのような淡々としたような感じではないです。
一応前作の続編になっています。
カミングアウト後のなぎこさんのポジティブな心境の変化がところどころ触れられていますし、
カミングアウト後に始めたブログの記事も一部入っています。
少しずつですが、成長と回復をされているようです。
彼女なりにポジティブに生きようと懸命に努力していて、
それこそ自己啓発書に出てくるようなポジティブな考えになる方法を実践しておられるようです。
最初の方の摂食障害に至る経緯は、正直前作とかぶる所がありますが、
摂食障害という視点で前作では語られなかった他の心の病や心情やエピソードも入ってました(スピード離婚や離婚後の激太りなど)。
何よりも母親からの虐待抜きには語れない部分があったと思われます。
真ん中は、摂食障害の症状だけでなく、身体醜形症、強迫性障害、対人恐怖症(赤面症、唇や手のふるえ)などの心の病について。
最後の方はブログで書いたベストの記事を少し編集されたような感じと、医師による摂食障害の説明もちょっとあります。
私は前作もブログも全部読んでいます。
ところどころ重なる部分がありましたが…何なんでしょうかね?
普通の小説を読むよりも、ぐいぐい引き込まれるものがあります。
彼女が芸能人だからか?心の闇の独特の世界観がそうさせるのか?それとも、なぎこさんの真摯な態度や知性のたまものなのか?
深いものを感じさせられる内容でした。
要約すると、人は愛なしに生きられない、といったところです。
摂食障害を始め数々の心の病、一般人から見れば異常行動と思われるものも、すべて愛情飢餓がそうさせていると感じました。
(愛情飢餓は加藤諦三氏の書籍から、「母という病」を書いた岡田尊司氏は愛着障害と呼んでいます)
少なくとも、なぎこさんの母親は虐待しています(殴られて鼻血が大量に出て青いバケツに溜めたりとか)。
それでも、なぎこさんは母に愛を求めてしまう。
男性に身を委ねている時ですら、母親の絶対的な愛を意識してる…
本題である摂食障害とダイエットの線引きは難しい。
しいてあげるとしたら、きとんと食べてダイエットを行っているのか、
それとも、愛情や賞賛が欲しくて、ひたすら体重を減らすことしか頭にないかの違いでしかないように感じました。
ろくに食べずにいることで、身体はカロリーや栄養を欲して、猛烈に食べたくなる衝動と(過食)、
太ったら愛されない、バカにされる愛情飢餓による恐怖心、パニックの繰り返し(嘔吐や拒食)のようです。
ダイエットをし、キレイになりたい行動は、愛されたい故の行動ですが、
アルコールを飲んでるからといって、誰もがアルコール依存症になるわけではないように、
ダイエットしたからといって、誰もが摂食障害になるわけではないです。
ただ少なくとも、なぎこさんの場合、母親に愛されて育たれなかったのが違いを生んだように思いました。
「アンタは醜い」「50キロ超えたらただのブタ」
確かに実の娘に言うことではないと思いました。
ブログの質疑応答ですが、私は傷の舐め合いでもいいと思います。
当事者同士でしかわかりあえないものがあるからです。
出産の痛みは女性にしかわからないものですし、失恋したことがない人に失恋の話をしてもわかることではないように、
病気は病気を経験してる人にしかわからないものです。
少なくとも、なぎこさんの書籍やブログは心の闇や心の病を持っている人にとっては、
心の癒し、心の寄り所、そして希望になっています。
ただの傷の舐め合いではなく、生きる力になっています。
なぎこさん自身が現役患者だからこそ、心の闇・心の病を理解をし、温かい言葉をかけてくれる母のような存在になっています。
そんな人は滅多にいないです。そこがなぎこさんの魅力だと思っています。
そして与えるということが、本人の回復・成長のためにも必要なことですしね。
なぎこさん自身も、自殺願望に捉われてきたからこそ、命に対するしっかりとした考えを持っていますから、
そうそう道を踏み外すことはないと思います。
また、よい友人やいい恋人に巡り会えたのも、なぎこさんにそれだけの人間性があるからだと思います。
やっぱり現役の患者さんが語るだけあって、心の病を抱えている人に対する接し方がやさしく、
一般の方でもどう接すればいいのか、いろいろヒントが散りばめられていて良かったです。
人よりも何倍も、人に嫌われしないかと、脅えてしまっているから、何よりも肯定が必要だということがよくわかりました。
それも、気を遣いすぎるよりも、サラッと自然体で付き合う感覚、そして好きという感覚。
それが何よりも特効薬になりうることを教えてくれた良書でした。
間違っても偏見を持ってはいけない。
1つの病気として、1つの個性として、理解していけばいいんだと勉強になりました。
人は愛なしに生きられない、そう物語ってるかのように感じました。
最近何かと多い虐待ですが、良い警鐘の本にもなると思います。
何よりも、なぎこさんが虐待をしないでほしいことを願っています。
武満徹:エア,弦楽のためのレクイエム
現代音楽の作曲者だから、という理由で武満徹を聴かない人も多いだろう。
そんな人も、せめて「系図」は死ぬまでに一度聴いてほしい。
さぁ、聴いてやるぞ!と身構えると
あまりに幻想的な「やさしさ」に包まれて
気がつけば「言葉と音の贅沢さ」の虜となるであろう。
安っぽい「癒し」の音が氾濫する中で、
これほどまでに贅沢で高級感のある「やすらぎ」を味わえる作品は
そう耳にすることはない。
遠野凪子のナレーションは少々棒読みの感じになるのが残念だが
終楽章の「遠く」では、どこか切なさを感じる雰囲気が良い。
そんな人も、せめて「系図」は死ぬまでに一度聴いてほしい。
さぁ、聴いてやるぞ!と身構えると
あまりに幻想的な「やさしさ」に包まれて
気がつけば「言葉と音の贅沢さ」の虜となるであろう。
安っぽい「癒し」の音が氾濫する中で、
これほどまでに贅沢で高級感のある「やすらぎ」を味わえる作品は
そう耳にすることはない。
遠野凪子のナレーションは少々棒読みの感じになるのが残念だが
終楽章の「遠く」では、どこか切なさを感じる雰囲気が良い。
未成年 DVD-BOX
私が中2の時のドラマです。リアルタイムで毎週録画していたテープを、26才になった今までもう数え切れないくらい見ました。おかげで擦り切れて見れなくなり購入を決意。若者グループの感動の青春ドラマなんていくらでもあります。でもこれは、本当に本当の人間のにおいを感じる、息の根に届くようなすごい作品です。激しくて脆く、強くて儚い。痛くて優しくてあたたかい。私は一生、この作品をそばに置いておきたい。いしだ壱成さん、桜井幸子さん、香取慎吾さんがすごい演技をされるのですが、当時はまだ無名や駆け出しで演技力が未熟だったはずの他のキャストも、この作品に関しては文句なしの演技です。それを引き出した演出側の素晴らしさも感じます。
一度も愛してくれなかった母へ、一度も愛せなかった男たちへ
他者の虐待体験を知ることで、親からのモラハラに反発していた自分は間違っていなかったと実感できました。大人になってまで親のことで悩んでいる人が世の中にたくさんいるんだと心の支えにもなります。