富士山宝永大爆発 (集英社新書)
著者は中世日本経済史を専門とする歴史家。
小田原市、静岡県小山町の地方史を編纂したのがきっかけで、本書を書くことになったらしい。
富士山の1707年の噴火は、大量の土砂や火山噴出物をまき散らし、現在の御殿場、小山、小田原周辺は甚大な被害にあった。富士山の近くでは田畑が火山灰等で厚く覆われてしまい、水系の下流域にあたる小田原では酒匂川に大量の土砂が堆積し、たびかさなる洪水に見舞われることとなったのである。
著者は歴史家であり、これに対して幕府、小田原藩、農民たちがどのような復興を行っていったかを、一次資料に基づき、綿密に描き出していく。
一貫して視点は、お上の無策と暴政にある。ほとんどが農民まかせで、これといった救済手段はとられない。また、堤の回収などに際しても役人と商人が癒着してしまったり。そんなこんなで、一応の復興まで四〇年もかかったというのも酷い。
私は地元の人間なので、現在の農業、治水、市政とも比較しながら読むことが出来た。現在の当地は、こうした歴史的背景のもとにあり、また政治のひどさは変わらないものだなと良く理解できる。
小田原市、静岡県小山町の地方史を編纂したのがきっかけで、本書を書くことになったらしい。
富士山の1707年の噴火は、大量の土砂や火山噴出物をまき散らし、現在の御殿場、小山、小田原周辺は甚大な被害にあった。富士山の近くでは田畑が火山灰等で厚く覆われてしまい、水系の下流域にあたる小田原では酒匂川に大量の土砂が堆積し、たびかさなる洪水に見舞われることとなったのである。
著者は歴史家であり、これに対して幕府、小田原藩、農民たちがどのような復興を行っていったかを、一次資料に基づき、綿密に描き出していく。
一貫して視点は、お上の無策と暴政にある。ほとんどが農民まかせで、これといった救済手段はとられない。また、堤の回収などに際しても役人と商人が癒着してしまったり。そんなこんなで、一応の復興まで四〇年もかかったというのも酷い。
私は地元の人間なので、現在の農業、治水、市政とも比較しながら読むことが出来た。現在の当地は、こうした歴史的背景のもとにあり、また政治のひどさは変わらないものだなと良く理解できる。