巨額年金消失。AIJ事件の深き闇
世間を震撼させたAIJ投資顧問の事件について、同社元幹部が振り返るという異色の書。もっとも、著者は事件の3年前に同社に入社したので、そのカラクリの内容についてはいまだに承知してないようではあるが。
評者も金融機関に勤める身であり、個人的にもわずかばかりであるが余裕資金運用をしていることもあり、本書に書かれていることは非常に興味深いものだった。一日で、二度通読するほど集中させていただいた。
正直、今は脱力感でいっぱいだ。
著者の言葉を信じれば、この事件は浅川個人の事件のようであるが、著者が指摘するようにこの事件の背景にあるものはあまりにも重い。
本書のことをFacebookに書いたら、サブプライム問題とは何かの著者である春山昇華氏から、この事件がきっかけで業界が更に過剰コンプライアンスを強いられ逆効果が出るのではないか?と懸念されている旨のコメントをいただいた。つい最近それを想起させる「弱者」はなぜ救われないのか -貸金業法改正に見る政治の失敗を読んだばかりでもあり、非常に理解できるところである。もし小泉進次郎がフリードマンの『資本主義と自由』を読んだらの原作者である池田信夫氏が主張するように、資本主義の本質は他人を出し抜くことだとすれば、いったいこれから何をどうすればいいのだろうか?
いずれにしても、運用や投資に関わっている方には、耳が痛いかも知れないがお薦めの書であることは間違いない。
評者も金融機関に勤める身であり、個人的にもわずかばかりであるが余裕資金運用をしていることもあり、本書に書かれていることは非常に興味深いものだった。一日で、二度通読するほど集中させていただいた。
正直、今は脱力感でいっぱいだ。
著者の言葉を信じれば、この事件は浅川個人の事件のようであるが、著者が指摘するようにこの事件の背景にあるものはあまりにも重い。
本書のことをFacebookに書いたら、サブプライム問題とは何かの著者である春山昇華氏から、この事件がきっかけで業界が更に過剰コンプライアンスを強いられ逆効果が出るのではないか?と懸念されている旨のコメントをいただいた。つい最近それを想起させる「弱者」はなぜ救われないのか -貸金業法改正に見る政治の失敗を読んだばかりでもあり、非常に理解できるところである。もし小泉進次郎がフリードマンの『資本主義と自由』を読んだらの原作者である池田信夫氏が主張するように、資本主義の本質は他人を出し抜くことだとすれば、いったいこれから何をどうすればいいのだろうか?
いずれにしても、運用や投資に関わっている方には、耳が痛いかも知れないがお薦めの書であることは間違いない。