中島
みゆきの「夜会」を映画化した作品。
夜会は、芝居とコンサートの境界線をうつろう独特の舞台であり、
なかなか映画としてまとめるのは難しいと思うが、
よくストーリーを補足したなと感じた。
夜会というのは、オペラやミュージカルとも異なり、
音楽と映像(舞台)の相互作用によってストーリーをイメージさせる。
むろん、セリフもあるが、あまりストーリーを展開させず、
舞台のイメージを補強するための素材といった方がよいと思う。
そういう抽象的なステージを映画というフォーマットに変換するには
それなりに工夫が必要と思うが、結構頑張っていると思った。
渡部篤郎演じる恋人にも心に翳をもたせ、
莉花(
瀬戸朝香)とシンメトリックにしたのも一つの工夫だろう。
ただ、何度も観返したくなるほど魅力的な映画かと問われると、難しい。
やはり、夜会の雰囲気の方に惹かれるのが正直なところ。
というわけで、この映画を観た人はぜひ、夜会も観てほしい。
夜会には独特の雰囲気があり、一度観ただけではわかりづらいかもしれないが、
一度はまると抜け出せなくなる魅力がある。
夜会 VOL.7 2/2 [DVD]