青春とはなんだ (1965年)
映画では、日活で石原裕次郎主演。TVでは、日本テレビで夏木陽介主演でした。まだまだ古い体制がはびこっていた時代に、当時は珍しいアメリカ帰りの型破りの青年教師が体当たりで、生徒・学校・地方社会にぶつかっていく話で、当時の学生はその舞台の森山高校に入学したいと夢見たものです。かといって、教師も今のような日教組教師や事なかれ教師は少ない時代で、それぞれが真摯に生徒に向かい合ってくれた、「神職」という言葉がまだまだ感じられた時代です。今では仰げば尊し わが師の恩が歌えないような教師ばかりで残念です。もっとも、生徒も純情という言葉は死語で、変に理屈っぽい 腐った大人社会人の入門者みたいな人が多くて、この少年期の大事な時を、無駄に過ごしているのは残念です。この小説が読まれた1960年代、天に向かって育とうとしていた青年たちのバイブルは、今では陳腐な場面も感じられるでしょうが、今の青春をおおいに頑張ってほしい若者にも一読してほしいです。
飛び出せ!青春~TV青春ドラマ★グレイテスト・ヒッツ~
文句の付け所のない青春アルバムと言いたいですが、大好きなあの曲、布施明さんのでかい空にはしごをかーけーてーのこれが青春だと青春とはなんだの主題歌がないのががっかりです。あと浜畑賢吉さんの進め青春もほしかったです。
青春とはなんだ (1968年) (角川文庫)
50年代以上の方なら懐かしく思い出されるかも知れません。同名のTVドラマの原作本です。
発表されたのが1968年ですから、バックボーンとなっている思想や社会背景、貧しさの表現などは今とは比較できないと思いますが、それでも随所にきらりと光るもの(多くは野々村先生の言葉として)があるように思います。でも、はっきり言って青臭い。
今の石原氏がこのような小説を書いていた時代もあったのですね。
発表されたのが1968年ですから、バックボーンとなっている思想や社会背景、貧しさの表現などは今とは比較できないと思いますが、それでも随所にきらりと光るもの(多くは野々村先生の言葉として)があるように思います。でも、はっきり言って青臭い。
今の石原氏がこのような小説を書いていた時代もあったのですね。
青春とはなんだ (1967年) (ロマン・ブックス)
テレビ化されたから、題名だけは、覚えている人もいるのでは。でもこれは基となる作品があったのです。長編ですが、あっという間に読んでしまった記憶があります。たしかに、振り返ってみると、これは、漱石の”坊ちゃん”や石坂洋次郎の”何処へ”以来、ある意味ではパターン化された図式です。しかし、ここには確かにトリックスター、石原氏の原型が素直に現れています。まだ戦前との意識のつながりが完全には断絶されていない昭和40年前後の田舎の風景の中で、団塊の世代の高校生を相手として、石原氏のアンチ・テーゼを基にした世界が繰り広げられます。天邪鬼な石原さんらしく、当時人気が出始めたサッカーではなくラグビーが取り上げられています。当時の石原氏は、ルールの下での騙しあいの性格を色濃く残すサッカーよりもむしろ原始的な攻撃性を強く感じさせるラグビーの方により強く引かれていたのかもしれません。主人公の教師はアメリカ帰りという設定にされていますが、これはどういう意味なのでしょうか。最後は、お決まりのパターンに落ち着きます。しかし、この中に描かれた世界像から、なんとも遠くへ著者も世界も来てしまったものです。