友人に勧められ、手に取ってみましたが、
あまりにおもしろくて一気に読んでしまいました。
コマネチのことはオリンピックで金メダルを取ったときの
テレビの記憶しかありませんが、
コマネチがパーフェクトな演技をする裏にはあれほどのトレーニングがあり、
その後の人生であれほどの苦難があり、
亡命があり、・・・困難にみちた人生を送ったことを知りました。
またそれにもかかわらず、
希望と勇気を失わずに困難に立ち向かったことに深い感銘を受けました。

子供を○○教室に通わせる親はもちろん、
ひろく多くの大人たちが是非読んでほしいと思います。

訳文は流麗で生き生きしていて翻訳くささがありません。

コマネチの魅力のみならず、当時のルーマニアを知る上で貴重な写真がたくさん掲載されている
一冊ではないでしょうか。30年以上も経っているのに商品状態も良く、高価ではありましたが
購入価値はあったと思います。

この本のタイトルのように後進のアスリートからもらった手紙に答える形式でコマネチ
の生まれた頃のエピソードから金メダル獲得、その後の亡命、アメリカでの生活が淡々
と肉声で語られています。
全編を通じてコマネチという女性のクールで賢い、そして何よりも自分の力で自分の人
生を切り拓いていくのだという意志の強さを淡々としたコメントの積み重ねの中で感じ
ることの出来る本です。
「目標を達成した反面、子ども時代を犠牲にしたと書かれていましたが、意味が分かりません。
　あなたもそろそろ理解しかけてくれた、と思ったところなのにがっかりしてしまいました。
　私は体操を犠牲だと思ったことは一度もありません。一度も、です。
　私は自分がしていることが好きでした。大部分の人の場合よりもずっと。
　あなたは自分の人生を愛していますか？
　愛しているなら、他人の答えをほしがることはないはずです。」
自伝のようでもあり、読者と１対１の会話のようでもあり、手紙に答える形を取っている
ことが実に面白い効果を生んでいます。
She's so cool and strong．