アーノルド・シュワルツェネッガー主演の1982年の作品。
今回観て分かったのだが脚本にオリバー・ストーンが参加していたとはちょっとビックリ。
何万年も昔の世界でコナンというヒーローが活躍するファンタジー映画で、この手の作品にはよくあるようなストーリーだ。
物語にケチを付けるつもりはないが、僕が一番不満に思うことは、映画にスピード感がないこと。
その一番の原因はアーノルド・シュワルツェネッガーの戦いのシーンでの動きが鈍く、観ていて興奮しない。
筋肉モリモリのマッチョがただ動いているだけの感じだな。
それともう一つ挙げるならば最後の決戦のシーン、明らかに黒澤監督の「七人の侍」を意識したかのようなところは置いといても、その映像の躍動感、迫力不足感は否めない。
ジョン・ミリアス監督ってことで期待して観たが、残念ながらこの作品は平凡な娯楽映画と言わざる得ないな。

中学生から日曜ロードショーなどで観ていたCONAN。音楽が気に入って、よく口ずさんだものです。この世にサントラ版があると聞き学生の頃から探していましたが…便利な世の中になったものです。
肝心の内容ですが、私はFUNなのでただスバラシイの一言につきます。映画のDVDをお持ちの方はポールドゥリス氏やミリアス氏のコメントを思い返しながら、さらに楽しめる事でしょう。しかも、映画冒頭のアキロのナレーションまであるんです。
兎に角、この値段ならFUNのかたは間違いなく楽しめます。FUNでないかたは…まずはDVDをお勧めします。
このサントラは忠実に映像にマッチしていると思います。ので、もし、映画のCONANが合わない方は、ハイボリアの世界を表す、この音楽にも合わないと思います。

オリジナルではない再録スコア盤となると危ういと言うか下手すると地雷化する危険性を孕んでいたりするので、
手を出すにはけっこう勇気を要するものだったりする。
しかしこのコナン・ザ・グレートの再録盤はハッキリ言って凄い。
当時果たせなかったポールドゥリスの構想、すなわち本来使用したかった楽器から演奏する人員の質と量までを、
この盤では忠実かつ誠実に目指し、そして実現している。
やはり気になるのは劇中のオリジナルとは一部変わってくる楽器構成なのだが、これがどういう効果をもたらしているかというと、
通常のオーケストラの楽器構成ではどうしても出し切れなかった伝統音楽的な味わいを見事に浮き出させているのである。
そういう意味ではオリジナルの方は良くも悪くも現代オーケストラの範疇に留まっている感があり、そこら辺がポールドゥリスは無念だったのかなぁと感じる。
コナンの世界が有史以前の暗黒時代（ハイボリア時代）である以上、よりトラッドで時間軸の旧い民族音楽的な味わいでそれを表現したかったのかも知れない。
そんな当時のポールドゥリスの意図を今作で少なからず実現できたのは、プラハ・フィルハーモニック・オーケストラを含めた関係者の熱意や力量によるのは勿論だが、トラッドに対するリスペクトが映画ロード・オブ・ザ・リングでも普通に見受けられる現在だからこそ、という気運的な変化も絡んでいるように思う。

また単純に人的物量・質ともに凄まじいので、音そのもののぶ厚さからして段違いであり、コーラス含めてド迫力で素晴らしい。
しかしながら不思議なことに映画で慣れ親しんだイメージとかけ離れてしまう事も無くむしろ誤差の範疇であり、
それこそがある意味かなりグレートな仕事ぶりと言えるのかもしれない。
収録曲においてとくに喜ばしいのは成長したコナンが放り込まれ連戦連勝を果たす穴蔵式闘技場で使われた曲・Pit Fightsもバッチリ収録されている点であり、この野蛮ながらも華々しい名曲が通常のサントラでは未収録だったのがとても残念であった自分としては本当に嬉しい。
結論から言うと、今作は非常に良い意味での底上げを果たしたグレートな一品と評価しても差し支えないだろう。
大半の残念なスコア盤とは違い、真剣かつ忠実かつガチンコで本来あるべきだった姿を追求しようという意気込みが否応無く伝わってくる。
もちろん最初はオリジナルとの差異を感じるのは当然だが・・・ほどなくこのよりグレートなヴァージョンによって心身ともに刷新されてしまうのである。

特別編（デレクターズカット版）は蛇足感が強く、
劇場版こそ至高だと思う自分には残念な内容です。
現在、劇場版が見れるのがVHS版のみと言う･･･
折角のBD、劇場版も入れて欲しかった！
ついでに言うと、吹き替えシーンのみに日曜洋画劇場版とかも
収録して欲しかったですね。

アーノルド・シュワルツェネッガーと言えば、ＳＦやガンアクションというイメージが強いですが（あくまで私の主観です）、世界的に名を売るきっかけになり、出世街道をひた走るきっかけとなったのは、こちらの作品です。「アイルビーバック」で有名な『ターミネーター』も確かにシュワルツェネッガーを押し上げた作品のひとつですが、こちらの作品の方が『ターミネーター』よりも二年ほど早いので、アーノルド・シュワルツェネッガーの出世作と言えばこちらが元祖です。
そんなシュワちゃんの出世作が二作合わせてこのお値段っ！絶対に買いですっ！！だから、早速予約ボタンをポチリしました♪

た・だ・し、大きな注意点として、AMAZONの商品登録情報を見る限り、今回は吹き替え無しの仕様となっています。自分は字幕派なので全く問題は無いのですが、小さいお子さん（小学校低学年ぐらい迄）と一緒に鑑賞する場合や、「俺は吹き替えが好きなんだ~っ!!!」という方にとっては、作品の良し悪し以前に、致命的な商品仕様になっています。その為、ご購入される際には、その点をよく踏まえた上で慎重に決められた方が良いです。