70th&80th Best
デビュー30周年記念ということで出たベスト盤です。
デビューから絶頂期といえる時期(1978〜1988年)の音源を収録しています。
とりあえず彼の作品に初めて触れようとする方にはオススメのCDでしょう。
しかし気になるのは他の方も触れてらっしゃる、デビュー時に在籍していたフィリップス音源の事ですね。
このベスト発売が告知された当初、1枚目にそのフィリップス時代を目一杯収め、2枚目に移籍後の(旧)東芝EMI時代という曲目だったので、2枚目に「無理やり詰め込んだ感」を覚えつつ入手困難なフィリップス音源の復刻に喜んだものですが、やはり修正が入り現行の曲目になりました。
選曲は達彦さん自身との事で、文句を言うのもどうかと思いますが(ご自身も悩まれたのかも)、最近のライブのセットリストを見る限り今作未収録のフィリップス時代のお馴染みの曲が数曲披露されているし、そういった曲が聴けないのもどうかと思います。
どうせなら、フィリップス音源ベスト1枚、EMI音源だけで今作、という感じで良かったのでは?
(業界の事情などもありましょうが)
太陽がいっぱい(紙ジャケット仕様)
1982年録音で ジャケットには自前のバンドクレジットが最初に来ているが、やはりサウンド的に圧巻は2曲目やLAST GOOD−BYEにおいての井上鑑チームです。井上サウンドが炸裂している。日本に多くのアレンジャーはいますがこれだけの独自のサウンドがある人は唯一無比。アルバム全体はNOBODYのサウンドサポートもありR&R、R&Bが貫かれていますが、当時ガールフレンドと(女子大生のファンが多かったですね)コンサートに行った際はこのアルバムのサウンドとの差にいくらかがっかりししたが。。当時のJAPAN AOR風潮と一線を画していて正当派ソングライターとしても秀逸ですね。いまでもマイペースでコンサートやられているようで同世代としても頑張ってほしいです。
Web+DB press (Vol.17)
WEB+DBとは言うものの、どちらかというとJava+DBという感じです。
本誌では主に
・J2EEの設計
・PostgreSQLのFAQ
・Eclpseプラグインの紹介
・WebアプリケーションからのPDF,Excel,グラフ出力
の四つからなっていて、J2EEの設計に関しては図も多用されて、かなり丁寧に説明されていますが、J2EE初心者には少し難しいかもしれません。
それと、グラフ出力の方法などは現段階でも情報が少ないので、本誌はとても貴重な情報源となるでしょう。(それでも基本的な使い方しか書いてはいませんけど)
I LOVE YOU SO(紙ジャケット仕様)
オリジナルは、1982年2月21日発売。デビュー時に在籍した日本フォノグラムから、東芝EMIに移籍した第1弾の“渾身”のアルバムです。
山本達彦というアーティストを知ったのは、ちょうどこの時。
当時のEP発売告知のキャッチコピーは、「CITY POPS’82 ファースト・フライトはbyタツヒコ」「CITY POPSの華麗なるチャレンジャー」でありました。
そして、このおしゃれなジャケット(=撮影は、おおくぼひさこ氏。仲井戸麗市夫人)。当時の私は“ジャケ買い”をしてしまったのです。
(何の曲も知らずに予備知識もなしに。そして、それは大当たり!でした。)
音楽的な印象としては、少し寂しい“冬のアメリカ西海岸沿い”をオープン・カーで、聴いてみたいサウンドです。
この作品の制作にあたって、それまでの山本達彦像=イメージを一新させるプロジェクトが多大にあったと容易に推測されます。ジャケットも、歌い方、サウンド、全てがそれまでとガラっと、よりアグレッシヴになっており、強い信念が感じられます。
アレンジは、シングルA・B面(M−9、M−5)は前作からの井上鑑。アルバムの根幹をなす他の楽曲は、新たなギター・サウンドを注入したNOBODY。そして当時のツアー・バンド=クロス・ビートの演奏も光ります。
このアルバムでのマニアな推薦曲は、男っぽいヴォーカルが印象的な「MIDNIGHT HARBOR」、“艶っぽい”外国人の女性のヴォイスで始まる摩訶不思議な「24−2689」です。
本当なら、シングル盤のヴァージョンの「MAN+WOMAN=100%」「SUNSET BLUE」も入れて欲しかったんですね。ミックスが違うんですよ。シングル盤をお持ちの方は、聴き比べをして頂きたいのですが、「MAN+…」は、出だしのエコーも、楽器の音像が違いますし、最後のサビの手前で「ウォオオ〜」と、達彦氏には珍しい、ゆるやかなシャウトが入っているのですが、それがアルバム(=今回のCD)にはありません。「SUNSET BLUE」は、シングルでは曲の終わりがフェイドアウトしていますが、アルバムでは、きちんとジャッ、ジャァッ!!、とギターサウンドで締めくくられています。
いずれにしても、買いの1枚です!!
MUSIC(紙ジャケット仕様)
「太陽がいっぱい」「MARTINI HOUR」で、
レコードセールス、知名度を上げ、環境的には十分整った時期(84年)のアルバム。
タイプの違った10曲が散りばめられているが、前作がストイックな内容、表現だったので、
こういう変換を見せるとは思いもしなかった。
冒頭の「MUSIC」は、それまでにない新しい切り口のナンバーである。
詞と曲のバランスが取れており、単純に耳にスッと入って楽しめるが、
これは実に奥深い歌詞で、ニューミュージックだけでなく、ジャズ、クラシック、
その他多彩なジャンルにおいての“音楽愛好家”に言える、真に的確な表現だ。
それを簡単に見せている杉山政美の詞の世界の独自性がある。
またラストの「紫陽花」では、得意とするバラードで、大きな人生観を歌い上げている。
詞・杉山政美、曲・山本達彦というコンビネーションは、他のアルバムでも名曲が結構多いので、
ぜひ聴いてみて頂きたい。
アルバム全体として言えば、個々の曲としては面白いのだが、
サウンド、方向性が異なるので、くくりのコンセプトという面では散漫な印象を受ける。
ただ、当時の名曲としてのベスト盤的な見方であれば、まあ良いのでしょう。