トリガーポイントブロックで腰痛は治る!
腰痛、特に慢性化してしまった症状を改善させる
ために大きなきっかけを作ってくれる1冊です。
本書がすごいのは、ヘルニアや骨の異常ではなく、
もっと筋肉に目を向けろ、そして、診断名が正しい
という思い込み(バカの壁?)を無くして、脳の誤解を
解消し、痛みを改善させるための認知を促進させて
くれるところにあるかと思います。
本書と「腰痛は脳の勘違いだった」はセットで
読まれると、とても理解が深まり、腰痛で苦しむ
人には、きっと何かヒントになるかと思います。
慢性の腰痛は、心身症との関係でTMS理論の
「腰痛は怒りである」などが参考になるかと思い
ますが、心と脳の関係に着目し、それでも上手く
改善しない場合には、本書で紹介されている身体
(ずばり筋肉や筋膜)と脳の関係の関係に取り組ま
れることをおすすめします。結局は、脳と心と身体
のバランスや関係を整えないと、根本解決には
ならないであろうから。
常識や権威にだまされず、自分の身体と頭で考え
ることの大切さを教えてくれる一冊かと思います。
手術などの侵襲性の高い選択をする前に、まず本書
を読んでみることです。
フリースタイル11 特集「日本マンガ全集」編集会議
特集【「日本マンガ全集」編集会議】を読みたくて購入。作家・作品の重要度はもちろん一巻当たりの頁数まで考え勝手に編集するという芸の細かい企画だ。
おそらくこの号だけの企画だったのだろうが、結果的には、戦前から70年代までの作家・作品について(とりあえず)83巻まで編集された時点で時間切れ?となった。
*80年代以降の編集会議は次号(12号)で行なわれたが、編集されたのは2000年まで。
筆者は知らなかったのだが、編者たちによると「マンガの全集」は過去に何度か編集・刊行されているがほとんどは70年代のものとのこと。唯一97年に双葉社による全集が刊行されているが、人選に?がつく不完全なものとのことだ。特集の最後に、過去に刊行された全集の巻立てなどが掲載されているが、たしかに双葉社の全集は人選に無理がある・・・。
編集者3名が“プロ”のマンガ読みであるため、その作家・作品が何故重要なのか(重要でないのか)という理由を3人ともわかった上で会議?が進んでいき、読者に対する理由の説明がほとんどされないという点はあるものの楽しく読むことができた。
個人的には「谷口ジロー」が単独一巻で編集されたことが嬉しく思う。
障害学への招待
21世紀に入る前に日本で「障害学」として多様な言説をまとめた業績は大きい。障害と一言にいっても多様に語られ得るし、語られてきた。それがどのような既成の学問や新たな思考法をまとめて障害学としての宣言を得ることができるかを示した、画期的な論考集である。
そして、多様に語られ得ることが各論文の間にある温度差にも表れており、それはまた今後の思考、発想の基にもなるであろう。社会学的な論文が中心であるが、それゆえに却って、今後はさらに横断的な考察を要求している分野でもあることが分かる。哲学・倫理学、医学・生理学、法学、経済学等の分野も巻き込んでいく必要があろう。障害学会の設立の契機を与えた意味も大きく、そうした知見からの研究は進行形である。ただし、それ以前に何をもって障害学という名に値するかという方向性を示している点が肝要である。当事者視点が崩れれば障害学も崩壊する。
ちなみに、市野川論文に対する引用の批判は読者に任せられてよい。歴史的な文脈を無視していないことは読めば分かる。あるいは、敢えてそのようにも読める書き方をしている可能性がある。これはむしろ、読者がその引用の仕方と解釈を自分の視点でどう判断するかという、普通に学術的な問題である。