鮫島の貌 新宿鮫短編集
鮫シリーズのテイストは随所にあるものの、人気コミック「こちら葛飾区亀有公園前'派出所」両津勘吉、「エンジェル・ハート」冴羽が登場する2編は'今一つです。このシリーズの魅力はある種の緊張感と全編を流れる'疾走感です。この2編は無理があると思います。両津も冴羽も完全に浮き上がっています。また新宿鮫シリーズを読んでいないと理解できない流れもあり、初めて手に取ると筋立てが分からないかもしません。警察小説短編集「鼓動」に収められた「雷鳴」は緊迫感もあり、シリーズらしい作品です。短編集は一定のコンセプトに基づいて書かれないと難しいのかなと思わせる出来でした。新宿鮫シリーズでは凄まじい激闘が繰り広げられる「毒猿」と一風変わった趣向が楽しめる「炎蛹」がお勧めです。今後の鮫島に期待したいと思います。
新宿鮫 (光文社文庫)
91年度版 このミス 1位
1990 文春ベスト10 4位
文春二十世紀傑作ミステリーベスト10 国内部門 14位
いうまでもなく作者の代表作(シリーズ)
この本を読まずしてミステリーは語れない。
常に単独操作で妥協を許さない捜査ぶりから「新宿鮫」とおそれられる新宿署 防犯課の刑事・鮫島の活躍を描くシリーズの第一作。
本作品では、警察官の連続射殺事件が発生。捜査本部の方針を無視し、鮫島は単独で密造銃の天才・木津を追う。
新宿鮫シリーズは、毒猿、屍蘭、無間人形、炎蛹、氷舞、灰夜、風化水脈
現在、次回作の準備中とのこと、楽しみである。
XX ダブルエックス~美しき機能~ [DVD]
東映ビデオと週刊プレイボーイの共同企画による誌上オーディションで、投票総数3,325票中984票を集めて東映Vシネマ『XX(ダブルエックス)』シリーズ主演女優に選ばれ、夏目玲としてこの作品で女優デビュー。併せてヘアヌード写真集「XX―夏目玲写真集」を発表。彼女の体を張ったアクションシーンと、体を張ったお色気シーンがタップリと堪能できる。2000年以降彼女の活躍は見られなくなったが、またどこかで復活してくれることを切に願う。共演に遠藤健一。もう一人脱いでいた女優がいたが、今一わからなかった。
眠らない街 新宿鮫 [DVD]
最近、ドラマや小説ではリアルな警察の組織や構造(キャリアとノンキャリアとか)が描かれるのが普通だが、娯楽作品にそうした要素を持ち込んだ最初の作品では(原作の方が)?この作品を知っていたから例えば「踊る大捜査線」なんかが楽しめた気がする。あ、同じフジテレビ製作だ。公開当時は酷評の嵐でした。原作が非常に良くできている名作なので比較されるときついかな。脚本は意外にも荒井晴彦氏。その割には原作に忠実であまり氏らしさがない・・・。実は当初は鮫島の恋人・晶が昼間は普通のOLで夜はロッカー、という大胆なアレンジを施したホンだった。単純な娯楽作品を目指す製作元のお気に召さなかったのか?主演の真田広之は抜群のハマリ具合。カッコ良すぎる。(原作なんか読むと、時代的に鮫島のイメージは松田優作あたりだったのかな)奥田瑛二の木津もハマリすぎ。浅野忠信がその独特の存在感を示して頭角を現したのもこの作品。梅林茂の音楽もいいです。ただ、晶の歌う歌(眠らない街)が通俗っぽすぎてちょっとがっかりです。公開当時、舞台となった新宿のまさにド真ん中の映画館で観たのは今となってはいい思い出です。
天使の牙 B.T.A [DVD]
最近の日本映画の中にあっては出色の出来だと、素直に思いました。
強引な展開の中にあっても、主役二人のせつなさが伝わってきました。
こういう脚本の緩急のバランスは、私は好きです。
ただ、萩原健一さんの演技が、もう少し重く、怖くできてたらなという
感じです。バイオレンス的な怖さを狙うか、異常性愛の権化なのか、
はたまたその両方なのか、(映画なのだから)もっと強烈に見せてく
れてもよかった。
原作モノの映画の場合、私は未読の場合は未読のまま、映画は映画と
して観るようにしています。原作を読んだ読者の中に生まれるイメー
ジは、映像には太刀打ち出来ない(解釈の違いという意味も)と考え
ています。ハリーポッターですら、そう感じてしまいました。