名残り火―てのひらの闇〈2〉 (文春文庫)
テロリストのパラソル以来の筆者のファンですが、筆者の遺作となった本作品も期待を裏切らないものでした。
やくざの組長の息子にして、頭脳明晰・状況により実力行使もためらわないが、酒を飲むとすぐに記憶を無くすという主人公、大会社の創業社長にして、大型バイクに乗り、とてつもない胆力を持つ人物、才色兼備にして離婚寸前別居中の主人公のもと部下である女性、等々魅力ある登場人物が、主人公の親友の突然の不審死の謎に迫っていきます。
テーマ自体は極めて重いもので、緊張感が持続しているのですが、その中に思わずニヤリとさせられるユーモアが随所にちりばめられ、筆者ならではのハードボイルドの世界観が感じられます。
本当に惜しい作家をなくしたものだとつくづく寂しく思います。
雪が降る (講談社文庫)
「テロリストのパラソル」で乱歩賞と直木賞を受賞した作者の良質の短編集。
「テロパラ」のようなハードボイルドを期待して購入すると、少し趣が異なるのでとまどうかもしれないが、この本に収められた6編は、作者の様々な一面を見せてくれる、心あたたまる作品ばかりである。
このうち「紅の樹」は「テロリスト・・」「ひまわり・・・」にも通じるハードボイルド。長編としても通用するプロットを凝縮して読ませてくれる作品である。
表題作「雪が降る」は、青春をすぎ中年にさしかかったた男女がおりなす純愛物語であり、作品全体にちりばめられた切なさがたまらない。そして、得られる爽快な読後感はとにかくすばらしい。
普段ミステリーしか読まない私にも十分に楽しめる一冊であった。
(「??マト」だけは単純な私には理解困難であった。)
BE×BOY(ビーボーイ)CD COLLECTION ハート・ストリングス
原作未読ですが、亜樹良のりかず先生好きなので、取り敢えず聴いてみました。
購入の決め手は黒田さんが榊の声されてたんで購入に至ったんですが、流石黒田さん!
ヤクザ=黒田さんって位ぴったりで良かったです。相手役の遊佐さんも良い声してるのでホスト役がぴったりでした。なかなか良かったと思います。
意外と流れ的にもスムーズで、さらっと聴けるのではないでしょうか。
欲を云えばフリートークが無いのが残念でした。
テロリストのパラソル (講談社文庫)
この主人公が女だったらわたしものんだくれてみたい。
善人は良いかと問われれば悪人のほうが物事をはっきりと
分からせてくれたりする。雑多な世界がかってに滅びても
しかたない。善人らしい正直者はなんとつまはじきになり身を
崩してしまう。それがわかるようなきがする。
われわれは善人ではない。ほころびから嘘と虚飾がチラついているじゃないか。
もーーくやしくてたまらない。がん!!そして藤原先生。もっと書いてほしかった。
独り旅立って、とてもそれが似合っていますよ。さみしいです、、、
ぜひ一読推薦いたします。
合掌