涼季(シシラ)
この系統の歌手はミーシャ、オレンジペコー、バードと鬼のようにデビューしている。ユーザーも重なっているのではないのか。このタイプの音楽の場合の問題点を指摘しておきますね。こういうタイプはアメリカのブラコンもののまねがほとんどなのですが。たとえばそれらのもののどこにセンスを感じるかといえば=トラックメイカーのセンスでありそれで90%決定される。なので、シンガーの実力は基本的に最後にのっけるものなので、ラストに評価される。このアルバムの場合。バックトラック=リズムトラックはアメリカの『スムーズジャズ』のそれ的な仕上げであるようだ。バックトラックが刺激的ではないので、ボーカルとのせめぎ合いが存在しない。だからスリリングでないBGMとなってしまう。逆に言えばアメリカのブラコンにはスリリングなしかけが多数存在していて、バックトラックと拮抗してぎりぎりのバランスの上に成立していると言える。そのへんが欠如しているのと。製作しているひとたちが心底楽しんでいるのが伝わってこないのがかなり痛いすね。
10点中4点 ひとやまいくらの世界になってしまう可能性は高い
リモート Vol.1~5 DVD-BOX
光一くんがズバ抜けてカッコよく、すばらしい演技を見せています。
玉木宏さんは、この作品から本格的にブレイク。
「金田一少年の事件簿」にも参加していた佐藤東弥監督の、独特のトリッキーな映像マジックにも注目です。
土9では、こういうドラマをこれからもどんどん作ってほしい。他局にはできないことですから。
青また青―獣木野生短篇集 2 (ウィングス文庫―Wings comics bunko)
短編を二作品収録。21歳でシングルマザー。新人の小説家のビダー ヴォイドのリアルで生々しい生活を描いた「青また青」。意味は「憂鬱また憂鬱」。
そして、2821年の砂漠化した地球のSFもの「2821COCACOLA」。戦争を題材にしながらもところどころにユーモアをちりばめた反戦作品。パームの主要キャラが出演。どちらも、獣木野生先生が旧ペンネーム(伸 たまき)のころの懐かしいもの。
パーム (32) 蜘蛛の紋様 <3> (ウィングス・コミックス)
連載開始当時から読んできたパームは、私にとってバイブルといえるほど共感するお話です。
特にジェームスの一挙手一投足は、読みながら笑ったりボロボロ泣いたりと大変な思いをします(笑)
ストーリーが終盤にきて、各登場人物の過去が語られる「蜘蛛の紋様」ですが、その昔作中で語られた「神様はとてもまともな織物師じゃない〜」という言葉を思い出しながら読んでいます。
それはたぶん、この「蜘蛛の紋様」の蜘蛛というキーワードと、作者が糸を紡ぐようにしてこれまで物語を織り上げてきたという感慨が深いからでしょう。
物語の本当に初期のころに語られた言葉が、何年も経って(巻数も進んで、実際にも時間が流れて)からリンクする、この物語の織り手である作者は、語り部というよりは、まさに神のようです。
色んな事にくたびれたなぁと思うような時に読むと、読み終わった時にはいつの間にか力をもらっているので、きっと一生読み続けると思います。
1冊手にとってしまうと結局全部を読み直してしまう、そんな底なし沼のような魅力があるお話。
絵柄が独特で今の流行りの絵に慣れた人にはとっつきにくいかもしれませんが、この作品は、絶対に食わず嫌いは損ですよ。
あるはずのない海 (1) (ウィングス文庫―パーム)
アメリカは西海岸のロス・アンジェルス。元外科医のカーターは、私立探偵を開業したものの、 全然仕事をしていなかった。そんな彼に弁護士のジョンが助手を雇う話を持ち掛けてきた。紹介されたジェームスに会ったのは、なんと監獄の中だった・・・。
登場人物たちの「孤独」のストーリーが積み重ねられ、それが偶然のような必然的「出会い」によって、タペストリーのようにきれいな文様を描かれていく。物語はハードだし、孤独という暗くて重たいテーマを描いているけれど、西海岸という湿度の低い土地を舞台に、魅力的な登場人物たちを設定することで、一気に読ませてしまう。とびきりの良質な映画を見た後のような読後感に、何年たっても何度でも読み返したくなる作品。作者の力量のほどが伺われる代表作。