独ソ戦史 焦土作戦〈上〉 (学研M文庫)
本作では上・中・下と別れ、上ではクルスク戦、クルスク突出部が形成される過程の戦闘、スターリングラードの破局からハリコフ攻防戦を描き、中・下巻ではクルスク戦後のドイツ軍の切羽詰まる後退戦闘が主な内容です。全巻通して戦闘の舞台裏である将軍と独裁者の意見対立やスパイの暗躍、そして前線で戦う史実の兵士達のドラマが迫力ある文章で述べられています。特にこの兵士達のドラマは感動的でありまさに兵士の鑑である。極限の状況下での彼らの献身は読者の心に強く響く。そして前線の破局を阻止せんとヒトラーと頑強に渡り合うドイツの将軍達、特にマンシュタイン元帥とヒトラーのやり取りは現場の雰囲気が直に伝わってくる。プロイセン貴族出身のマンシュタイン元帥と政治家であるヒトラーの戦争指導での意見対立がとてもよく描かれていて面白い。上巻ではクルスクでの攻勢「城塞(ツィタデル)作戦」を開始するに至る“政治的”理由や攻勢を決定するに至る上層部のやり取り、スパイの諜報戦、クルスク突出部が形成されるに至るスターリングラード戦後のハリコフの戦い、そしてハリコフ攻防戦・クルスク戦での独軍兵士達の戦い様、城塞作戦の推移、作戦の失敗までが描かれる。中、特に下巻では上巻を上回る切羽詰った展開があり、マンシュタインとヒトラーのやり取りは特に注目だ。上中下揃って買うことをオススメする。
マーラー:交響曲第9番・第10番・大地の歌 [DVD]
マーラーの作品を十八番にしているバーンスタインではあるが、その中でもこのDVDは凄すぎる!!!
ことに9番の演奏は、まさに入魂の指揮ぶりで、オーケストラと一体となった名演だと思います。
最近の指揮者の中には、汗もかかずにクールな指揮をする人もいるが、やはり人の心を揺さぶるのは、ここで見られるバーンスタインのような熱のこもった指揮ではないでしょうか。バーンスタインの感情や精神がマーラーの曲に見事に反映されている演奏です。
映像そのものは古いものなのでクリアなものとは言えませんが、マーラーの9番のDVDとしては最高のものだと確信しています。
The Blue Planet: An Introduction to Earth System Science
地球科学の教科書として使用.
最初は英語特有の「例え」に悩まされるだろうが、
慣れると平易な英語で読みやすい.
内容も幅広い地球科学の分野を紹介している.
興味のある人には面白いだろう.
教科書的であるので、評価は星3つとした.
Das Lied Von Der Erde
さまざまな「大地の歌」を聴いてきたが、並居る名盤(あまりに安易に使い回された陳腐な表現)の中にあって一際光彩を放つ注目盤である。男声は少々声が上ずっており標準の域を出ないが、女声(メゾ)は掛値無しに素晴しい!タイトルにもあるように「告別」のシーンには久々に声を失った。彼女のデビューCDを後日入手して聴いてみたが無名に等しいとはいえ実力の程が充分窺えた。往年の女声歌手も素晴しいに違いないが、心を無にして耳を澄ませば新しい才能との出会いに胸躍る幸せが味わえる、まさにクラシック音楽の醍醐味といえよう。バックの大植/ミネソタ管については全く文句無し。RRの優れた収録が彼等の意図するところを十全に支えている。