スライヴ THRIVE 【日本公式盤】 [DVD]
なるほど、このような可能性が公に論じられることがあるのか!
という、ちょっと驚きの内容でした。
例えば、フリーエネルギー/自由エネルギーの存在を明らかに肯定し、
その実用化すらも可能だという。
※ニコラ・テスラなんかもこれを試したのでしょうか?
しかし、エネルギーが自由になることを阻む人たちがいる……と。
それは世界規模で金融を操る「一握りの人たち」であり、
彼等こそが世界の「富を独占」しているという。
そのような話は、面白い都市伝説として耳にすることがありました。
※今の日本には特にタイムリーな話題かもしれませんね。
しかしその金融支配のピラミッド構造のなかで
重要な一部を担っているエリート達へのインタビューを通じて、
支配システムの謎に切り込もうとする内容にはリアリティを感じました。
インタビューに応じる彼等にはシステムの全容が見えておらず、
それ故に自らの(本当の)役割に対して無自覚であるようです。
しかし、彼等にもおぼろげに、時に明確に感じている疑問があり、
関連するいくつもの興味深いリークがなされています。
仮にこれが事実なのだとしたら、非常に巧緻に設計された
強固な支配システムであると言わざるを得ず、背筋に冷たいものが走ります。
金融を軸にして「エネルギー」「食糧」「教育」「医療」…
そしておそらくメディアなどもコントロールされているのだとしたら……?
それが「政治」と呼ばれているものの正体であるとしたら……
……作家ミヒャイル・エンデが『エンデの遺言―「根源からお金を問うこと」』のなかで、次ようなことを言っているという話を思い出しました。
「どう考えてもおかしいのは資本主義体制下の金融システムではないでしょうか。人間が生きていくことの全て、つまり個人の価値観から世界像まで、経済活動と結びつかないものはありません。問題の根源はお金にあるのです。」
「私の見るところ、現代のお金がもつ本来の問題は、お金自体が商品として売買されていることです。本来、等価代償であるべきお金が、それ自体が商品になったこと、これが決定的な問題です。」
そして、プラトンの『国家(7巻)』における、洞窟のなかに囚われ
幻影を眺めてただ暮らし、そこから抜け出すことのできない人々の話も思い出され、
古代ギリシャでも現代社会でも、もしかしたら被支配下の人々の状況というのは
似たり寄ったりなのかもしれないとも思いました。
このドキュメンタリーでは、そこからの「解放」が呼びかけられており
そのための方法が、結末として提案されているのが興味深く感じられました。
原発事故後の日本で強く感じたことでもありますが、
人々が実際に立ち上がる、行動を起こすことによって、
少なからず変化する物事もあるようです。
(※変化の難しい強固な物事の多さも同時に知りましたが……)
立ち上がるために何を知るべきか、そのことを「情報」という形で提供し
相互作用的であろうとする製作者のイマジネーションの大きさと、
アプローチがユニークである点が、
このドキュメンタリーを通じて覚える興奮の秘密でしょうか。
情報のシェアによって相互作用を演出するという目論みは、
とても今日的であるように思いますが、
テーマそのものは古代から通じているのかもしれません。
BIUTIFUL ビューティフル [DVD]
映画「ジェイコブス・ラダー」と共通点が多い。
先に死んだ近親者に連れられて、この世に去るという構造が
そっくりだし、冒頭とエンディングのシーンがつながって
主人公の状況がはっきりするのも同じだ。
また天井に張り付いた人間の悪夢的ビジュアルも全く同じだ。
絶対にこの監督は「ジェイコブス・ラダー」を意識している。
しかし、全く救いの無いエピソードだらけの映画だが、
リアリズムにこだわった、また絵画のような映像美がすばらしい、
ずしんと心に響く佳作である。
Guitar Heaven: the Greatest Guitar Classics of All
いやぁ、しかし最高じゃないですか!例えて言うならば、ロッドの一連のカバー集(特にソウルのヤツ)なんかに感じる、「それ、反則でしょ(笑)」みたいな感じと言えばわかりやすいかな?いや、本当に反則でしょ、これ!
確かにパーカッションの使い方なんかに、そこはかとなく漂うラテン・フレーバーなんざは“サンタナらしい”んだけど、ZEPにパープル、クリーム・T−Rexにジミヘンと、ほんとにまんま、奇をてらわずというよりは、笑っちゃうくらいの“完全コピー”と来たからさ、その潔さには脱帽だね。「サンタナなら、これら超有名曲をどうな風に料理するんだろう…」なんて期待していた人にとっては完全に肩すかしな作品だろうけど、この“ベタ”な選曲を前にしては、素直にやるのが一番であって、つまりは「最高の企画アルバム」ってことなんじゃないかな!
個人的に白眉は、世界的なチェリスト、ヨーヨーマとI・アリーをフィーチャーした(4)。郷愁を誘うチェロの調べに、憂いを帯びたアリーのボーカル、そこに寄り添う、渾身の泣きのギター、この一曲だけでも買いの名演。逆にAC/DC作(6)でのラップはアイデアとしては今一歩かなぁ。ストーンズ作(2)は、サンタナとストーンズのテイストの違いも面白い。(12)はせっかくJ・ラングをフィーチャーしたんだから、熱いギターバトルを期待したんだが、この辺りの“スカシ具合”もサンタナなんだよなぁ(笑)
ゲストボーカルもそれぞれ超豪華なんですが、C・コーネルとP・モナハンはやはり素晴らしいボーカリストだということを再認識しました。こういうのってさ、やりたくたってオリジナルアルバムではどうやっても浮いちゃうし、かといってシングルB面にこんな豪華ゲストもないだろうし、結局はこの形が一番なんですよね。まぁ能書きはもうどうでもよくて、まずは愉しみましょうよ、話はそれから!。
GOLD POP3
まず、トップバッターのスティービーの「サー・デューク」。途中のサックスソロからまずはやられます。このCDは歌なしのインスト。インストの最高峰は弦楽のオーケストラかもしれませんが、こういうポップスは吹奏楽が実に合う!! その後、チック・コリアの「スペイン」もすごいし、ハービー・ハンコックの「ウォーターメロン・マン」もおもしろい。ソリストがなんと言ってもスゴイのが87才のジャズ界最高峰のサックス:フィル・ウッズ、そしてトランペットもアメリカのトップ・トランペッターのブライアン・リンチ。それだけでもスゴイのに、日本のそれこそトップのミュージシャンが勢揃いで参加のCDなんです。コレ、相当にお金がかかっていると思います(拍手:パチパチパチパチーー)。それほど価値のあるCD。ポップス、ジャズ、それよりも「音楽全体」の感じ方をガラッと変えられる可能性があるCDです、マジで!!