ウォール街 [Blu-ray]
本作は1987年の製作だ。「プレデター」とか「リーサルウェポン」とか「オーバー・ザ・トップ」
なんかと同じ年。もうすぐ四半世紀というのが信じられないなあ・・・。
M・ダグラスはゲッコー役でオスカーを得て、現在病と闘いながらも、続編に出演している。
C・シーンやD・ハンナは最近すっかりスクリーンではご無沙汰だが、TVを活躍の主戦場にしているようだ。
本作の時代は、何と言っても「バブリー」がキーワードだ。ゲッコーが「今やアメリカは二流国だ」というシーン
があるが、まさに日出国の日本がどんどんのしてきた頃であり、セリフの中にも日本市場の強気が出てくる。
バドの青二才振りと、ゲッコーの貪欲さは、ついこの前の日本プチバブルの時にも見られた現象だ。
株式市場という「幻」の中で踊り踊らされ、最後には逮捕者まで出るという「バブル」は本当に怖い。
冒頭、マンハッタンの空撮から始まるが、その中心に据えられているのはワールド・トレード・センターだ。
やはりこの2本のスカイスクレーパーが有る無いでは、マンハッタンの風情が全く異なる。
まさか13年後に影も形もなくなるとは、誰も信じていなかっただろう。オリヴァー・ストーンは「WTC」も
監督しているし、この「絵」に思い入れがあったのかもしれない。
内容的には少し古い面もあるが、未だ教訓となる要素が多いのは名作の証。
続編にもちゃんと繋がっているので、未見の方は是非。
特典映像はSDだが、なかなか面白いメイキングが収録されている。
「D・ハンナはあまり乗り気じゃなかった」とかいう事実も明かされており、興味深い。星は4つです。
ウォール街のランダム・ウォーカー <原著第10版>―株式投資の不滅の真理
第9版を買おうと思っていたら新しく出ていたのでこちらを購入しました。
第9版が手元にないので詳細な比較できませんが多分どちらを読んでも損は無いでしょう。
第10版では図表の更新は無論、「行動ファイナンス」の記述が改訂されており、
今回は更に解説が詳しくなっていることと、定年後の投資についても追加があるようです。
いずれにせよ、このような本は、まともな投資行動を最大にしてなるべくリスクを低くしつつ
将来を豊かにリスクヘッジのあるなかで生きるための発想を得るのに用立てるには有効といえるでしょう。
これからは一種のリテラシーといえるかもしれません。とにかくお勧めです。
史上最大のボロ儲け ジョン・ポールソンはいかにしてウォール街を出し抜いたか
あまり投資に詳しくない者です。紀伊国屋の投資コーナーにて、平積みでオススメとして置かれていました。出版元もそれ程知られていない(ごめんなさい)ですが、書店員がこういう仕掛け方をするのは内容がしっかりしているのかな、と、直感で購入。
結果、大満足でした。読み物として、相当しっかりしたレベルの著作です。読んでいてすぐ気づくのですが、まず伝記的な要素を小説のようにして場面が浮かぶようにして読めるいっぽうで、同時に投資・金融に関するノンフィクションとしての情報記述もしっかりなされているということ。
そのバランスが絶妙なのです。
サブプライム崩壊とCDSの飛躍的な価値の上騰ーポールソンの目標、それまで抱いてきたルサンチマンと人生への賭けが、いかにして結実するか。
それは、オカネの額というより、気概、自分の職業人生への責任なのだということ。そして、同じような大志を抱く人々の苦難と成功、悲喜交々のサブストーリーの卓越した構成が、著者の文章能力、相当時間の取材の苦労を窺わせます。
史実としての役割も考慮され、映画化されても違和感がないくらいのスリリングさで読み進められます。
年末に買いましたが、年始に最後の3分の1を、スターバックスで2時間ほどで一気に読んでしまいました。
投資の知識にもなりますし、最後には、今後アメリカ型資本主義がどのような途をとるべきか、ほとんど哲学的な域での示唆があったところで「物語」は終わります。でも、ポールソンの物語は、まだ終わっていないのですね。なにせ、2010年春までのことが書かれているのですから。
翻訳もこなれており、誤字1つなく、とても読みやすい訳でした。
ただ、あとがきにもあるように、もしかするとこの「バランス」のために、省かれたり、簡略されているようなことも結構あるのかなとはちょっと思いました。
買って全然損しませんでした。投資系の本ではここ最近でダントツのヒットでした。
Random Walk Down Wall Street: The Time-Tested Strategy for Successful Investing
この本を初めて知ったのはもう20年以上前のことだろうか。それもそのはずで、第1版が出版されたのが1973年だと言う。
改めて目にしたのは去年のことだった。初めはおもしろかったら良いな、くらいの気持ちでは日本語で読んでいたのだが、余りにも鋭い内容に圧倒されて、それなら英語で挑戦してみよう、と途中で原書に変更した、と言うのが真実である。
John Bogle、Charles Ellis、そしてこのBurton Malkiel、と言ったらアメリカだけでなく、世界に冠たるインデクス・ファンドの創始者たち、と言うことになるだろう。今やキャピタル、フィデリティ、と並ぶ投資信託の大手となったVanguardだが、1976年にこの会社が始めた‘S&P500のインデクス・ファンド’は「インデクスと同じ成績を狙うなんてプロフェッショナルの仕事じゃない」とフィデリティから揶揄されたらしい。しかし現在ではこの‘S&P500のインデクス・ファンド’は全体で11兆円を超える世界最大の投資信託の一つとなった。
この本を読むまではテクニカル・アナリストを軽蔑していたのだが、ファンダメンタル・アナリストも大したことがないのだな、と言う事を認識させられた。そう、記憶に新しいハイテク・バブルの時にはファンダメンタル・アナリストが跳梁跋扈したのだった。そして彼らがサルと余り変わらない能力の持ち主だ、と言う事が最後に証明されたのだった。新聞やTVに出ているエコノミストやアナリストの予想がどのくらい当てにならないか、改めて列挙するまでもないだろう。そのうえ、どの株が上がるか的中させてみろ、と言われたら殆どの連中が逃げ出すことになるのではないか。
この本は言うまでもなく、金融業界で働く人間にとっても、またこれから投資を始めよう、と言う人にとっても有益な本だろう。アメリカ合衆国、と言う唯一のスーパーパワーが自分たちの失敗を中国や中東の資金を調達しないと穴埋めできなくなっている、と言う現実に直面すると、アメリカやヨーロッパ、日本等の先進国の株式しか組み入れていない投資信託よりも、新興国をも含めた世界中の株式をトラックする安価なインデクス・ファンドが誕生しないかな、と期待しているのは私だけだろうか……。
ウォールストリート式年収1億円の条件
著者が、一流になるためにウォールストリートで叩き込まれ、実践されていることについて具体的に説明されている。
実際に著者自身が実行されていることであるため具体性があってわかりやすい。また、書かれていることについてはほとんどが納得感があり、これまで実践できていなかったことについては即実行していこうと思う。
自分が一流であることを心がけること、それにより一流が集まり、一流の集団の中に入れるということ。そのためには多少無理をしてでも、先行投資をして自分を磨くこと。
一方で、中身の濃度に関していうと、ずいぶんとあっさりした内容であることは否めないため、星3つと評価する。