恐竜惑星 DVD-BOX
たかがアニメと侮る事なかれ。子供向けの作品でありながら、様々な恐竜についての情報や時代について科学的考証に全く手を抜いておらず、大人でも楽しめる内容になっています。NHKの科学班の作品全てに見られる傾向ですが、視聴者を馬鹿にしていないところにとても好感が持てます。
また当時最先端の遺伝子工学などの内容を盛り込んだSF作品で、いかにも近未来実現できそうなバーチャル世界など、生物的な考え方の好きな人にはそれだけでもたまらない出来になっています。
出演している子供たちがちょっと演技になれていませんが、そこはそれ、ご愛敬で、それを差し引いても十分におつりのくる内容です。
CD BOOK アメリカのジュニア科学事典で英語を学ぶ―惑星・星・月・化石・恐竜・大陸などアメリカの小学生向けの英文を読む
なかなか興味の持てる音読教材が見つからないという人には、良い本だと思います。やさしい英語でも、これだけのことが書けるというお手本のような文章がたくさんあって、どれから覚えようか迷うほどです。
トピックの数は25。地学系、生物系がメインです。1トピック当たりの英語の長さは、ネイティブのナチュラルスピードで1分30秒から2分程度です。完全な和訳に加えて、各トピックごとに英語の用法に関する簡単な解説があるので、少しは継続の励みになると思います。
また、各トピックごとに、おまけ程度に日本語によるサイエンティフィックな解説も付いていますが、これに関しては、少なくとも私は必要性を感じませんでした。
ナレーションに癖がある(語尾を伸ばす)のが、ちょっと気になりますが、いろいろな英語を経験しておくという意味ではいいのかもしれません。
星を継ぐもの 2 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
星野之宣には初期作品(たとえば『巨人たちの伝説』『2001夜物語』)の頃から、「科学的にでたらめなアイデアを説得力ある画で描く」残念な漫画家という印象を持っている。
たとえば『2001夜物語』の「レーダー電波の電子」という名台詞などは、今なお語り草になっているほどだ。
そうした「残念」なところは、この作品においても相変わらず健在である。
1巻のブラックホール兵器とか、この2巻冒頭の「月のない地球」をめぐる科学者たちの議論などの、星野氏オリジナルの要素にそれが強く出ているのは、もはや芸風と呼ぶべき域に達している。
他のレビューで高く評価されている、この過去の地球の姿の議論は、おそらくニール・F・カミンズの『もしも月がなかったら』から借用したものと思われるが、ホーガンの原作のアイデアと組み合わせるのは、はっきり言って無茶である。
月が潮汐力によって地球の自転を減速させ、同時に月が地球から遠ざかっていることは百年以上前から知られており、一日の長さの変化も精密に測定されている(サンゴの化石から、過去の一日の長さの変化もわかっている)。たった5万年で自転周期が8時間から24時間に延びるというアイデアは、少なくとも地球においては成立しえない。
ホーガンの原作自体、そうした矛盾を承知の上で、わざとアイデアの問題点を書かずに避けて通った気配すらあるのに、それをわざわざ物語の表舞台に引っ張り出して、しかも全体の見せ場にしてしまったこの漫画にはまさに、「残念!」と言うしかない。
(『もしも月がなかったら』のように架空の惑星の話にすれば、説得力を損なうことなく作品にできたのに……)
もちろんフィクションが科学的に厳密でなければならないなどと言うつもりは毛頭ない。星野之宣自身、「科学的に間違っていても物語として面白い方をとる」と発言したことがある。科学的な間違いを承知の上で、フィクションとして楽しむという立場は当然あっていい。
しかし、このアイデアを「説得力がある」とか「ありえた過去」と評価するレビューが現にある以上、「間違ってるよ」と指摘する者が一人くらいいてもいいと思ったので、あえて野暮なツッコミを入れさせてもらった次第である。
しかし、なんだかんだ言っても、私はこの漫画家を愛している。それは創作全体を通して、SFというジャンルに対するリスペクトがあるからだ。
デザイン全般や宇宙の描き方から見える、『2001年宇宙の旅』への愛、多くの作品にみられる過去の名作SFのオマージュ、それらはこの作品にもはっきりと表れている。たとえば第9話のタイトル「狂風世界」とか、73〜74ページに描かれたシーンがそうだ。
(クロマニヨン人が月に矢を放つ画から木星に向かう宇宙船の画につなぐ場面は、『2001年宇宙の旅』の、ヒトザルが放り投げた骨のカットから宇宙船のカットにつなぐシーンのオマージュである)
それになんといっても、カラーの絵が素晴らしい。口絵の木星を背景にしたガニメデもいいし、ひろげたカバー絵は美術館に展示してもおかしくないと思えるほどの出来栄えだ。
星野之宣にはこれからも本格的SF漫画を描き続けていってほしい。
ドラえもん Sound Track History~菊池俊輔 音楽集~
お馴染みのいつものあの曲の数々を聞くことができます。大山世代にとっては聞けば懐かしいものばかりです。
しかし、TV用の方はお馴染みの曲といえば(ひいき目に見て)かなり手広く収録されている一方、
劇場版の曲は穴だらけです。特に私としてはのび太の恐竜のBGMが全く入っていないのが残念至極でした。
劇場版の組曲は何故あの曲が入っていなくてこれが?と言わざるを得ない選曲がかなり見受けられます。
例えば「パラレル西遊記」の孫悟空のテーマは未使用版しか収録されておらず本来の曲は聴けませんし、
鉄人兵団に至ってはいくつも未使用曲が入っています。TVシリーズで駆けまわる時の定番BGMとなっていた
宇宙小戦争のチータローションで走る際のBGMを入れなかったのもどうなんでしょうか。
基本的に選曲から映画版ドラえもんに対する愛があまり感じられません。作品をよく知らない人が適当に
聴き映えのする曲をかき集めた、そんな感じが漂ってます。
そして音源が一部行方不明とのことですが、管理は一体どうなっているんでしょう。
前述の通りのび太の恐竜の曲、そして何にしても誰もが知っているあのジャイアンのテーマの原曲が
入っていないのは、初期の劇場版とTV用の第二回録音分のテープが見つからなかったことが原因だそうです。
テープを管理する側はもっと自分達が文化的財産を保管しているという強い自覚を持ってほしいです。
しかし、元音源が無いなら無いにしても、ダビングされたものなりMEなり何かしらの方法で収録することは出来たはずです。
ジャイアンのテーマのように入ってなければおかしいくらいの曲は、どんな手を使ってでも入れて頂きたかったところです。
さて、とにかく出ただけでもよしといった物なのですが、このようなCDでファンが満足することはありません。
いつか全曲収録した完全版CDBOXを是非、いや絶対に発売してください。