Dream Evil
1987年と言えばメタルがセールス面で世界を席巻していた時代の真っ只中。
新人から中堅、ベテランまで力作をリリースする中、ヴィヴが抜けてDIOはどう出るかプレスは注目し、ファンは楽しみにしていた。
結果、グレイグはロニーに合う楽曲(9曲中8曲にクレジット)とフラッシーなプレイでかなり貢献しているし、ギタリスト交代劇に乗じてクロードが自己主張してきた事によりバンドとしてのバランスは増した。
ロニーは変わらず巧いが、セルフ・プロデュースの限界か録音状態が悪い(これは1stから変わらないが…。しかも本盤ではボーカルが少し割れて聴こえる)。
プロモーションにも力を入れたし(4のPVには相当金と時間を掛けていた)、楽曲も質が高い(ファストな1、man on the〜みたいなリフがユニークな2、L.A.メタルのような攻撃性に驚く 3、7分越えの感動的な大作 4、we rockを彷彿させるロックアンセム5、popだがいいアクセントになっている7、出だしからグレイグ弾きまくりの8、ミドルだがリフとロニーのヴィヴラートがいい9)本盤だったが、あまり売れなかった。
何故ならDIOはルックス重視のバンドではなかった。 当時は所謂ビッグヘアー系が売れていたが、ロニーは既に44歳だった。
今だからこそ、時流にこだわらず、純粋に本盤を中身で評価出来るのではないでしょうか?