首都消失《デジタル・リマスター》 [DVD]
ある日突然、何の前触れも無く平穏な日常のバランスが崩れドラマが始まる…まるでウルトラQの一挿話のような本作『首都消失』。
わが国の首都東京が正体不明のガス雲に包まれ、電波をはじめ有線も含め全ての通信が遮断される。国政を司る永田町のリーダー達はおろか2000万人の東京都民の生死も不明。国家の中枢=首都を喪失した事により東京一極集中型の脆弱な国家体制が露呈する。航空機や潜水艇の物理的な侵入さえ拒む正体不明のガス雲の謎は深まるばかり。 後年、バブル景気と称されたイケイケドンドンな経済を誇る80年代の金満国家…日本に神が下した天罰なのか、破産寸前の某国の気象兵器による攻撃なのか。強行突入を試みた自衛隊機はリーソク墜落。
なかなか面白い状況設定やん。 ナイト・シャマランの『ハプニング』みたく説明放棄のハッタリ大事件はアリだと思います…が、異常事態へのリアクション描写はツッコミどころで満載です。国家の一大事なのに平穏な日常を暮らす地方都市の市民…普段どおり出勤したり、ウィンドサーフィンしたり(笑)。 少々脱力感のある災害パニック映画ですが、特撮は見応えあります。 特に東京上空シーンのカット割りがヨカッタ。 東宝特撮のいつものダラダラ長い印象のミニチュアによるスペクタクル絵巻とは異なりキビキビしたカット割りで飽きるコトなく観れました。さすが日本アカデミー賞特別賞受賞の中野特撮です。
本作はディアゴの東宝特撮シリーズにはラインナップされてないので東宝特撮ファンなら購入すべき1本です。生頼範義画伯のジャケもカッチョイイですし。
蛇足ですが、本作とキング×ダラボンの『ミスト』を続けて観ると面白いかもですよ。
生きるって人とつながることだ!
障害者だと人生をポジティブに楽しめることはないと思っていました。
この本を読み、全盲ろうという障害を抱えながら、福島智さんが酒好き、
グルメ好きという点をもち、普通の人と変わらなく人生を過ごしていることに驚きを受けました。
むしろ、普通の人よりも人生をポジティブに楽しんでいるかも知れません。
お寿司屋さんでのエピソードや結婚生活・奥さんとの国内旅行等の話等・・・印象的でした。
思わず福島さんが盲ろう者なのを忘れてしまうくらいアクティブで、いつでも前向きな福島さんに
元気をもらい、福島さんの人柄に感銘し、盲ろうという障害を少しでも知ることのできた一冊だったと思います。
日本沈没 下 (小学館文庫 こ 11-2)
「日本沈没」は地震の阿鼻叫喚を描いた単なるパニック小説ではない。
そのかわり前半部には科学的な解説がたくさんあるし、政治やら社会やら、はては日本人論まで繰り出されるから、
こちらは脳みそが沸騰しそうになる。
エンターテインメント小説として読むと、あまりの歯ごたえに面食らうのだ。
これはSFなのか?現実の記録なのか? 震災の後で読むとわからなくなってくる。
果しなき流れの果に (ハルキ文庫)
時間SFだが、「歴史を変えて何故いけない?」と、
主人公側は時間犯罪者組織である。
果しなき時間流は未来から干渉してくる二つの力で作られてきたのだ。
タイムスケールは数億年レベルの物語だが、
プロローグその一が「象徴的事件」
プロローグその二が「現実的結末」
となっており、SF物語の果に到達するエピローグが、
世界一のSF作家のホーガンの「星を継ぐもの」級の感動である。
「それは長い長い夢のような、いや、夢物語です」
もっともスケールのでかい恋愛物語としても読めます。
Self-Reference ENGINE (ハヤカワ文庫JA)
時空が崩壊したという世界、多世界、の話。
長編となってますが、時空が崩壊した多世界を描いてるので、短編集のようでもある。
それぞれの章に繋がりも多々見られるけど、それは読者側が勝手に関連があるんだと思ってるだけで
もしかしたら全然関係が無いのかもしれない。
インパクトのある話ばかりで、なんでもありな感じでもいろんな論理(理屈?)でなんか納得
させられる。
そしてユーモアもたっぷり。巨大知性体達はなかなか笑える。
特に『Yedo』。八丁堀最高。
でもしっかりSFしててカッコよかったり。
ミヒャエル・エンデの『鏡の中の鏡』を思い出しました。