夜の大捜査線 [DVD]
15年ぶりに観返しました。当時は若かったこともあって、主役のシドニー・ポワチエがオスカーの候補にすら選ばれなかったことを、人種差別の弊害とすぐさま結んでしまったものです。勿論そのような偏見は多分にあったことでしょうが、改めてロッド・スタイガーの素晴らしさに見惚れてしまい、オスカー受賞は順当な結果だったのだ、そう納得した次第です。もっとも、この年(1967年)には「暴力脱獄」のポール・ニューマンという強力な対抗馬も控えていたので、審査はさぞかし大変だったことでしょうね。
レイ・チャールズの挿入歌も最高で、暑苦しいミシシッピの田舎町での殺人事件というテーマにバッチリ嵌まりました。また、特筆したいのが事件のカギを握る「夜中に全裸で徘徊するのが趣味(!)」という美少女・デロレス役のクエンティン・ディーンの存在。そのナイスバディと幼さの残る妖しげな表情に、今更ながら魅せられてしまいました。どうしてその後メジャーになれなかったものか疑問に感じます。
ともあれ、最初から最後まで飽きることなく惹きこまれてしまう傑作サスペンスです。既に鬼籍に入ったいぶし銀・スタイガーと、スタイリッシュなポワチエの絶妙な組み合わせに酔いしれて下さい。チンピラ警官役のウォーレン・オーツもイイ味を出していますよ!
夜の大捜査線 [DVD]
人種差別の激しく残る南部の田舎町に偶然居合わせた、東部の黒人エリート刑事シドニー・ポワチエが、殺人事件に巻き込まれ、さまざまな困難に立ち向かい解決へ導いていく。
白人の警察署長役がロッド・スタイガー、憎たらしいまでの演技力だった。
黒人のエリート刑事と白人の署長が、お互いに気が進まないうちに仕方なく協力し反目しあいながらも、事件解決後には、最後には人種を超えた男同士の友情が芽生え、感動を呼ぶ。
この作品が評価されるのは、公民権運動がアメリカで盛り上がっていた時代に作られたということ。南部での黒人差別が激しかった頃に、よくぞ作られた、と思うから。
映画の中で、町の有力者の白人に対して、ポワチエが頬を打ち返すシーンは、驚愕した。
この時代にすごかった。
犯人にまつわる人物の救いようのない、陰惨さ。今の時代にも通じそうな犯罪のもと。
ティーンエイジャーの、無邪気な怖ろしさがぞっとする。
踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ! [DVD]
冒頭のSATとの対決から始まり、中盤まではわりと盛り上がってなかなか面白かったと思います。
ただ後半からは物悲しい音楽の中話が進んでいき、テンポが悪いしイマイチまとまりがないような気がします。
結果全体的な印象が暗くなってしまい、見ているこっちまで重く悲しい気分になってしまいました。
また、今回の猟奇的な事件はちょっと無理に作りすぎているような気がします。
犯人たちの思想もよく理解できないしあまり現実的ではないように思いました。
真矢みき演じる沖田管理官のワンマンぶりも度を越えていて、不快に感じるほどです。
踊る〜シリーズはあくまで「楽しめる」作品であってほしいので、暗い深刻な雰囲気が漂う今回の映画はあまり好きになれませんでした。
夜の大捜査線 霧のストレンジャー [スタジオ・クラシック・シリシーズ] [DVD]
シドニー・ポワチエの最高傑作。アメリカ南部の人種差別地域で、黒人のエリート刑事が謎を解く。そういう逆境が非常にうまく表現されていて、事件の謎解きに一段とおもしろみを加えている。謎解きの刑事物なら、一度見ればもういい、となる所だがこの辺の良さのため、数年に一度は見たくなる作品です。DVD正規版を所有しても損はない。世界中の人が同じ意見だろうが、アカデミー主演男優賞は誰がどう見てもシドニー・ポワチエです。すばらしい映画です。