ファンタジア スペシャル・エディション [DVD]
あの【ウォルト・ディズニー・スタジオ】が1940年に公開した、傑作中の傑作が本作品です。クラシック音楽をバックに7つの短編アニメーションがオムニバス形式で描かれているのですが、どれも素晴らしい映像ばかりです。物語の内訳は、
(1)美しい幾何学模様
(2)幻想的な妖精たちのダンス
(3)ミッキーマウスの魔法修行
(4)地球における生物の進化
(5)オリンポスの神々の1日
(6)動物たちによる時間のダンス
(7)闇の饗宴と光の勝利
の7つのイメージ映像から成り立っています。どの映像も非常に素晴らしいですし、何よりもバックのクラシック音楽とアニメーションによるイメージ映像の共鳴が、奇跡的なまでのハーモニーを生み出しています。初期のウォルト・ディズニー・スタジオが全力を挙げて完成させた、まさに【芸術的】な傑作です。これもまた時代を超えて永遠の価値を持つ、記念碑的な大傑作。アニメーション映画に興味がある方には【必聴必見】の作品です。面白いですよ。
チャイコフスキー : ヴァイオリン協奏曲
アイザック・スターンのチャイコフスキーはセンチメンタルである。なるほど、初恋ねぇ。言いえて妙だ。そもそも、チャイコのこんなヴァイオリン協奏曲は聴いたことがない。オーケストラがヴァイオリンをたてながら、しかし絶妙な掛け合いを演じる。
もちろん白眉は第一楽章だが、最高に息の合ったコンビネーションは最後まで続く。オーマンディ&フィラデルフィア管は交響曲を奏でるときよりも、協奏曲のほうにむしろ本領があるのではないか。例えるなら、渚に立つ少女に向かって、波が満ちたり退いたりしているようだ、とでもいえばいいだろうか。それほど、ピッタリなのである。
一方、シベリウスは荘厳である。どしーんと構えて、投網をかけるようだ。聴く側のこちらは、かかった魚だ。うまく術中にはめられた感じがする。網をうつスターンと、ちょうど良い波目を与えるオーケ、といった感じだろうか。
チャイコフスキーが長調なのに対して、シベリウスのほうは短調なので、もちろん違うのだが、どちらもメリハリが効いている。
音楽のことはよぅ分からんが、上のように書けばイメージがつかめるだろうか。百聞は一見に如かずなのだが、おどろくほど良い音楽であることには違いない。