中春こまわり君 2 (ビッグコミックススペシャル)
こまわり君の父ちゃんが叫んでいたことを思うと、「こまわり」は苗字だと思っていたのですが、こちらは「山田こまわり」さんです。
その中年になったこまわり君、渋いです。ストーリーも人間の業を感じさせるようなやるせないものが多く、しばらく小説に没頭していた著者の志向がストレートに表れています。
少年時代に大暴れしていたこまわり君やジュンちゃんが背景にあるぼくらの世代にとっては、それゆえにこそ滋味深い佳作だと思います。
赤塚不二夫のまんがNo.1シングルズ・スペシャル・エディション
この日をどれくらい待ちわびたことか!
遂に幻の「まんがNO.1」の一端を覗けるなんて!!!!
まんがもさることながら、井上陽水の「桜三月散歩道」は「氷の世界」に入ってる「桜〜」とは違うナレーションが入ってて、こっちの方が「氷の世界」バージョンに較べて名曲とマニアの間で言われてただけに、聞けるのが非常に楽しみ。
中春こまわり君 (ビッグコミックススペシャル)
内容は「がきデカ」の続編。30代後半になったこまわり君を描いたもの。
まるで土曜ワイド劇場のようなストーリー。「がきデカ」の頃の登場人物はみんな歳をとってすこしくたびれている。いろんな登場人物のその後が興味深い。なんだか悲惨というかいかにもリアルなものが多い。離婚してそれでも男にだまされ続けてるとか、介護の話とか、あべ先生のフィアンセは実はろくでなしだった、とか・・・こまわり君自身もずいぶん常識人になったようだ。
火床より出でて (小学館文庫)
本書をはじめ、この人の小説は読んでいるうちにどうしてもセリフが山上漫画のキャラで
脳内再生されてしまう。商店街のおやじとか若奥さんなどが、緻密な背景とともに浮かんでくる。
個人的にはものすごく映像的な小説家の一人。
漫画の「中春こまわり君」も最近は地方を舞台にしたミステリー仕立てになってきており、
山上氏がなんかのインタビューで「松本清張が好き」と語っていたのを思い出した。昔の
「がきデカ」の扉絵も連載後半は地方の風景(日本海側や北海道など寒そうなとこが多かった)
をバックにこまわり君がポーズとっているパターンが増えてきたのもそのせいらしい。