風街ろまん
やはり、この人たちは普通じゃないです。40年前のアルバムとは、とても信じられないです。コトノハ3で、「風をあつめて」のオトナモードのカバーを使わせていただきましたが、歌詞、楽曲、演奏のインパクトはすごい。アルバム全体でも。
ロック誕生 THE MOVEMENT 70’S~ディレクターズ・カット [DVD]
個人的に、フラワー・トラヴェリン・バンドの「Make Up」の映像に期待していたんですが、
収録されていたのはYouTubeにて公開の某映像にスタジオ音源を被せただけのものでした。
また、その他の多くの演奏シーンの映像も既出のものばかりで、まったく肩すかしです。
70年代当時の日本のロックの映像が1つのアーカイヴとして集約されたことは意義深いとは思うし、
そうした資料的なものとしてはそれなりに良い作品かもしれません。
が、1つの映画作品として観た場合はちっとも面白くもないでしょう。
なにしろ、内田裕也さんや近田春夫さんといった人達へのインタビューの合間に、
昔の映像が時系列もばらばらにダラダラ挟まっているだけの薄っぺらな構成でして、
映画のはじまりと終わりを内田裕也さんへのインタビューで纏めて、
どうにか全体を締めているだけの映画ですから。
インタビューをもうちょっと幅広く、細かくやって、
当時のレコード会社のディレクターだとか、ロックから別の方向へと流れていった人達とか、
そういう人達の証言も取り込んでくれていたら、奥行きのある見応えのある映画になったのでは。
例えばその後のYMOのメンバーがいたエイプリル・フールの人達だとか、
モップスから名プロデューサーへ転身を遂げた星勝さんとか、
ヒーリング・ミュージックみたいなものをやるようになった喜多郎さんとか、
話を訊くべき人は、いっぱいいたでしょう?
これでは「ロック誕生」というよりは、「内田裕也誕生」ですよ。
内田裕也さん、大好きだからこれでもいいんだけど(笑)。
だからここに来た!-全日本フォーク・ジャンボリーの記録- [DVD]
一昨年より各社から復刻されている岡林音源だが、特に注目だったのがマスターテープを引き上げたURC音源だった。特に個人的だがはっぴいえんどとコラボした「ロックの時代」がなんといっても最高だと思っている。とりわけ1970年の全日本フォークジャンボリー(通称、中津川フォークジャンボリー)は岡林withはっぴいえんどの最高のパフォーマンスだと思っている。前置きが長くなったがそのフォークジャンボリーが記録映画になったというのは有名な話だったが、残念ながらどこで公開されているか判らないまま見られずに今日に至っていた。過去にBSで放映された事があるというのはネットで知ったがそれも見る事がなかった。その「幻の映像」がなんとDVD化される事になった。なんて時代なんだ!これは「自分のためにDVD化してくれた」としか考えられない(笑)というわけで即予約だ。当時の最高のパフォーマンスを映像で見られるなんて今から楽しみでしょうがない。しかし実は岡林だけでなく「五つの赤い風船」のパフォーマンスも最高なのだ。1970年はGSとフォークがロックとニューミュージックに変化して行く端境期でフォークの円熟したパフォーマンスが最高にかっこいい。フォークが拓郎の時代になるのはこの翌年、1971年からだからね。
はっぴいえんど
日本語ロックの祖とされているバンドの1作目。
字余りな歌詞の乗せ方や、言葉の用い方は当時のフォーク的なものを脱しておらず、
果たして今現在の日本のロック・ミュージックが、
はっぴいえんどの遺伝子を受け継いでいるかと言えば、デッカい疑問符がつくでしょう。
(個人的にはモップスやキャロルが、日本語ロックの祖であるように感じる)
サウンド自体は当時のアーシーなアメリカン・ロック風で、
バッファロー・スプリングフィールドやモビー・グレープと比較されるのも分かる音というか。
字余りフォークの訥々とした歌と相俟って、まったりとした叙情を醸し出してくれます。
彼らが日本語ロックの祖であるかはさておき、演奏/楽曲とも高品質のアルバムなのは確かです。
CITY ベストヒッツ
音楽を深い部分で演奏しているメンバーで構成されてたバンド。ニューオーリアンズ音楽にも近いダウントウアースなソングライティングセンスを見せる細野氏。まるでスティーリーダンライクなアレンジもあり、早すぎたバンドであったことがわかる。先鋭的な感性を持つメンバーが集結していたのがよくわかるアルバム。アメリカンルーツミュージック類をよく吟味して消化していたのがわかりその包丁さばきは相当に高いレベル。日本と言う土壌にアメリカンポップスを移植するということが
いったいどういう作業なのかを客観的にわかっていた。相当に音楽おたく指数は高い。いま聴いても込めたソウルは熱い。10点中9点