マニフィーク・ライヴ
吉松作品のギターアレンジがあると知り購入した。プレイアデス舞曲集の「さりげない前奏曲」のギターデュオは深みのある素敵な響きだ。この曲の音符接近の難しさはもしかしたらデュオに向くのかもと思った。ピアソラの「タンゴの歴史」は誘惑され挑発されるドキドキに満ちた演奏で、何度も聴かずにはいられない。ラストのボレロはえ?という印象はあるものの、おもしろさではお勧めである。
虹/翼をください/コダマスケッチ
今回のアルバムは3曲ですが、一つ一つが、よく練られた、キラキラ輝く作品に出来上がっています。
「うーん、すごい!」と唸ってしまいました。
コダマスケッチ、新曲の美しいメロディーの「虹」、それと、まったく新しいアレンジの名曲「翼をください」、としっかり耳を澄ますと、奏一さんのパーソナリティーが、じわっと伝わってきます。
新しいジャンルにしっかりと一歩、歩みだした、っていう感じです。
それと録音も素晴らしく、ファンは絶対持っておくべきだと思います。購入是非お勧めです。
シャコンヌ
有名なギタリストである村治佳織を姉に持つ村治奏一の演奏するギターです。曲目の中のバッハのシャコンヌは彼の得意なレパートリーの一つで大変うまく演奏されております。彼は1982年生まれの若手で今後の成長が期待されます。このCDで演奏しているバッハのG線上のアリアは大変素晴らしい演奏で奏一のもつ高い音楽性がでていると思います。演奏は癖がなくみな大変美しいものです。これに個性が少し付いたらさらによい演奏になると思います。
夢
村治は、「ニューヨークスケッチ」「アメリカ」で、アメリカ留学ならではの曲を(ジャズのアレンジなど)弾いていたが、今回は19世紀作品を(ソル、メルツ、コスト、レゴンディ)中心としたアルバムだ。使用ギターはH.Hauser二世である。
レゴンディは、繰り返される転調、独特の和声がつくりだす色彩感があり、技巧的に難しい作品だ。「ノクターン‘夢‘」は、トレモロのメロディーが細かく動くところも聴きどころだ。(このアルバムのバリオスやアランブラより細かい)
コストは、知られていない秀逸な曲を華麗かつロマンチックに弾いている。
メルツは、たたみかけるように盛り上がるラストが爽快だ。
19世紀もの以外では、村治がコンサートのアンコールで弾いている曲を入れている。(カバティーナ、ワルツ第3番など)和声を分析した上で、メロディーを響かせている。(アマにはできない演奏だ)
個人的には、第7幻想曲(ソル)をこのアルバムに入れてほしかった。(先日、コンサートで聴いて、感激した曲なので)
このアルバムとともに、宮下祥子の「ヴィルトォーゾ」も聴いてみることをお薦めします。ロマンチックな歌の村治と、理知的な宮下。みんなで19世紀にひたりましょう。
8月23日加筆
コストの「スペインの歌”カチューチャ”によるカプリス」は、福田進一が「19世紀ギター・デビュー!」で弾いています。(95年2月発売)
福田は村治の先生です。
Mirai~若きマエストロたち~
大萩さん目当てで買ったCDでしたが、予想以上にバランスのいいCDでした。
クラシックだけれどそう重いものが聴きたくないときや夜ひとりで浸る時にお奨めです。
ギターもいいし、二胡やフルートなどバラエティに富んだ楽器と耳に馴染みやすいどこかで聴いた曲のオンパレードでとても良いです。
プレゼントとしても最適。
演奏なんて若い、ベテランなんて関係ないと思います。