Tiki
リチャード・ボナ、ニューヨーク、パリ、リオデジャネイロにおいて録音された2005年の作品。ジャコ・パストリアスの再来とまで言われる超絶技巧のベーシストでありながら、ソロアルバムをしてベース一人舞台とならないリチャード・ボナ。自らヴォーカルを取り陽気に歌う様は、超絶技巧ベーシストの肩書きを感じさせない力の抜けた純粋な音を感じさせる。
テクニックに走らず楽曲のバランスを重視した音作りという点では前作「Munia:The Tale」を引き続いている。ゲストに同郷のサリフ・ケイタを迎えて作られた前作は、故郷のカメルーンの文化を音という形で我々に伝えてくれた。
本作も様々なゲストを迎えて作られたのだが、今回はブラジリアンアーティストの参加に目が行く。MPB初期からのアーティストであるジャヴァンやミナスミュージックシーンの重要人物トニーニョ・オルタ、パンデイロの名手マルコス・スザーノといったアーティストの参加はブラジル音楽ファンでなくとも注目せずにはいられないことだろう。
しかし、ブラジルのアーティストと共演したからといって単なるブラジル音楽の追従という訳ではない。カメルーンのアーティストであり、ジャズベーシストであるリチャード・ボナとブラジリアンミュージシャンの競演が繰り広げられるのだ。お互いの技量を認め合った同士、言葉の壁を越えた意識のやり取りが行われている。
先程超絶技巧ベーシストの肩書きを感じさせないと書いたが、やや不十分だろう。彼の技量の程は十分表現されている。だが、それのみを前面に持ってきていないというだけのことだ。やはり素晴らしいテクニックを持ったベーシストであることには変わりない。ギル・ゴールドスタインによるストリングスのアレンジ等はリチャード・ボナのそういう抑えたベースプレイを上手く引き出しているようにも感じられる。
Reverence
ベーシストとしてもジャコの再来と言われているように、有名な方ですがこのアルバムを聞いて、ベースはもちろん歌も素晴らしく彼のミュージシャンとしての才能を十分に感じました。どの曲を聴いても心を和ませてくれまた、ボナの世界に自然と引き込ませてくれる様な、そんな魅力を感じました。もちろんベースにおいても素晴らしく、6曲目で聞かせてくれるソロは凄いです!!すべてにおいて聞き所満載なので、今後も注目して行きたいなと思いました。
スモーク・アンド・ミラーズ
2002年『RIT'S HOUSE』以来4年ぶりとなるスタジオ・レコーディング。ゲストもかなり豪華な顔ぶれ。中でもベーシストが5人も参加には驚いた(苦笑)前作『OVERTIME』ではあまり高評価でなかったもので、理解はしていたが…CDショップで試聴してみたところ..これが予想とは違いなかなかの好感触。よく使用しているギブソンL-5、ES-335、ヤマハ・サイレントギターの3本に加え様々なギターの音色が聴けた。とくにエレアコやアコギの曲が多くなっている。パーカッションも曲によってふんだんに使い分けてあって音質もよかったのである。自分のお気に入りトラックは3曲目「サウスウェスト・パッセージ」6曲目「スペルバインダー」8曲目「ポヴォ」。中でも「ポヴォ」でのP.ラッシェンのフェンダーローズ・ソロがすごい。Jazz風なアプローチでかっこいい。最近のリトナーの作品ではまぁまぁな内容だとは思う。
シーンズ・フロム・マイ・ライフ
この天才的なテクニックに裏付けされた奥の深い音楽。しかもそれをひけらかすことなく、大自然を舞うように歌いプレイするリチャード。パットメセニーグループでもその存在感はすごい。
MOYO~ハート・アンド・ソウル
東京ジャズフェスの番組で発見すぐに購入。予想通りのすばらしいミュージシャンです。いわゆる昔のフュージョンのジャンルになるかもしれませんがポップでメロディアスかつシンプル。ライブ映像では特に感じたが独特の間は鳥肌もの。こんな日本人がいたなんて感動物。