バルトーク:ミクロコスモス(全153曲)
ハンガリー領トランシルヴァニア生まれの作曲家=ピアニスト、
バルトーク(1881年 - 1945年)による『ミクロコスモス』、
作曲は、1926年から1939年にかけて。
もはや戦車とマシンガンと長い長い長い塹壕の大戦争を経て、
民族主義が素朴に信じられる時代は去っていた。
初期ストラヴィンスキーのバーバリズムは、
浮かれたジャズの流行に取って代わられていた。
かれは孤高に、かれの音楽世界のなかへ内向していった。
バルトークはもともと方法意識が高く、
「作曲は教えられるものではありません」と言いながらも、
かれの曲の骨組には、一曲ごとに、明快なアイディアがあって、
後世の作曲家たちへのまたとない贈り物になっている。
『ミクロコスモス』全6巻は、ピアノ教則本と作品集が合体したようなもの。
構成は、たんじゅんな曲から、少しづつ、複雑な曲へ。
いかにも民謡収集家らしい、五音階への関心、
旋法への着目、旋法と和音の共存のあり方、
それでいて、ときおりはバッハをおもいだす対位法への恭順、
早い話が、あるものはなんでも使い、
西ヨーロッパ音楽観を脱構築しようとする意思と戦略がある。
バルトークはかれの作曲の道具箱を見せながら、
同時に、作品集を示していて。
しかも、その道具箱は、現代の作曲家の道具箱と、
(たぶん)ほぼ同じものです。
バルトークは西ヨーロッパとその外部の境界で、
東欧的な(それでいて西欧的なるものも使えるものはどんどん使う)
独自の音楽世界を作った。
ただし、バルトークの方法は、民謡から幾何学を取り出すような感じ。
そこがおもしろく、そこが古く、その古さのなかに未知のなにかがありそう。
バルトークって、気難しくてそれでいてお茶目、
気さくにフィールドワーク(民謡収集)をこまめにおこないながら、それでいて理屈っぽい、
そんな人柄がもちろん音楽にも現れていて。
山崎孝さん(1937年生まれ)の演奏は、
いかにも音がやわらかく、響きは澄みわたって綺麗、
そんな音たちが、スタッカートや変拍子で、俊敏に跳ね、踊る。
他方、昏い、水のしずくのような、リズムがあるんだかないんだかわからないような曲には、
ふしぎで謎めいた叙情性が与えられる。
五音階を介して、バルトークの世界が、
きわめてバルトークの世界でありながら、
同時に、あろうことか、日本人にも懐かしい音楽として、よみがえる。
しかも、このCDにおいては、それぞれの曲に、作曲語法がかんたんに示されていて、
曲への理解がひじょうに深まります。
録音は1981年、フラットで、綺麗な音が綺麗に録れていて、
ただし、いわゆる録音による造形的な加工はなく、
もう少し「作っても」良いようにおもうけれど、
それであってなお、いつのまにか聴き手を
『ミクロコスモス』のなかへ、引き込んでゆく。
雪之丞変化 [VHS]
昭和10年の作品だけあって、長谷川一夫(当時の芸名は、林長二郎)が若々しく怪しいほどの完璧な美しさです。
今の芸能人には見られない完璧な美貌を見ることが出来ます。
物語は、親の敵を打つ歌舞伎の女形が主人公・・というものです。
長谷川一夫はこの映画の中でなんと3役も演じております。
その中で彼は、主人公の母親も演じているのですが、それが本当に完璧な美女に見えるので驚きでした。
後の市川昆監督の同名の映画では、長谷川一夫も随分と年をとっていたので、同役での女装はかなりキツイものがありました。
映画全体を見ても、この昭和10年のものの方がスケールも大きく、ずっと素晴らしい出来ばえになっています。
とにかく何処をとっても「安っぽさ」を全く感じさせない大作に仕上がっています。
観ていると江戸時代にタイムスリップできる映画No1という感じです!
変化を生み出すモチベーション・マネジメント (PHPビジネス新書)
自分のモチベーションというよりは、どちらかというと、若手〜中堅メンバーを抱える「現場マネジャー」クラスがメインターゲットでしょうか。
人の行動を「変化」させるステップを、「アンフリーズ」「チェンジ」「リフリーズ」とおいて、どの場面でどうすれば心理や行動が変化するかが書かれています。
小笹氏の本は、かなり読みこんでいますが、こちらは「使う場面」がわかりやすいように思います。
ヤマトナデシコ七変化 DVD-BOX
亀梨和也くん演じる恭平の言葉は、何かしらコンプレックスを抱えている女子にとって、感激せずにはいられない言葉の連発です。
それを、亀梨くんが、ただ垂れ流すのではなく、見事に演じ、きちんと心に語りかけてくれます。
演技がうまくなったと実感しました。
スナコ役の大政絢ちゃんは、元々大好きなのですが、美人なのに、あそこまでよく頑張って変貌していたし、とてもチャーミングだったと思います。
とんでもない展開の最終回は、賛否両論かもしれませんが、元々が漫画で、ファンタジーだと思えば全く気になりません。
愛すべき登場人物達を、ぜひ保存したいです。
みんな仲が良く、現場の雰囲気がとても良かったとのことなので、特典映像が凄く楽しみです。
「依存する人」を「変化を起こす人」にどう育てるか
職場での「周りの人間が自分の思うとおりに動いてくれたら」「無駄な気を遣わない、前向きな職場ができたら」と思い、ノウハウを知りたくてこの本をとる人が多いかも・・・。
しかし実は、この本は職場のみならず、夫婦や親子、友人間にも当てはまる人間関係のコツのエッセンスが詰まっているといえるかもしれません。
読み進めていくと、そのポイントは「自分自身の働きかけ方(を変えること)」にあることに気がつきます。一言で言うなら「信頼関係を生み、建設的な関係を築くためには、自分自身が必ずやるべき(&やり続けるべき)習慣がある」というところでしょうか。
個人的には、書かれているエッセンスが、過去「仕事ができる」「あの人のプロジェクトは仕事がしやすい」「一緒に仕事がしたい」と感じた人の言動や習慣と重なる部分が多く、なるほどとうなづきながら一気に読んでしまった感があります。身近な人への自分の言動を冷静に振り帰る、お互いの関係を修復するためのきっかけにもいいのでは。