悪虐
「妻との約束」を果たすため「悪魔に魂を売った」と独白する主人公に感情移入できません。
新堂冬樹の作品に感情移入できる(良い意味で)登場人物は皆無ですが。
冒頭から小学生をリンチ、かつての恩人を半殺し、妻と瓜二つの娘をレイプする……など悪魔の所業と言えます。
問題は引き延ばすだけ引き延ばした後に「妻との約束」が明かされますが……
言ったらなんですが優柔不断な男がとち狂って「妻のため」を大義に掲げ鬼畜、外道の所業に及ぶだけです。
同じ人間のクズでも『溝鼠』の鷹場とか『毒蟲』の大黒のほうが『妻との約束』なんて下らない行動原理を持ち出さないのではるかにマシ。
文句垂れながら最後まで読むところが新堂ファン。