国際法 第2版 (有斐閣アルマ)
専門書レベルと書かれているのは少し大げさかもしれないと思います。
全体的に、国際法にかかわる主な事項(条約、国際組織、国家関係、紛争解決など)は、きちんと網羅されており、それぞれの量のバランスもとれていました。
しかし、共著のためか、文体やフォーカスにかなりのばらつきや、文章の前後関係のくみたてにかなり無理が有るところが割合に目立ち、国際法の入門書としても、専門書としても若干中途半端だと思いました。
とくに、国際法は国内法と違って、執行強制力を持たないけれども、グローバル社会の秩序維持の根幹となる重要な法律である事に関する位置づけの部分が弱い気がしました。
さらに、国際法と、国内法に関する抵触の問題(国際法と国内法が抵触する場合には、通常国内法を優先させるがグローバル化に伴い多くの問題が出てきている)は、日米安保条約と日本憲法との抵触においてもかなり問題になっているのになぜ問題になるのかという事が、報道等でもよく解説されていないだけに、もっと解説をしてほしかったです。
そうすれば、国際法と国内法の共存における問題となる部分と、解決しやすい部分が分かるのではないかと思います。
高校教育の過程などでこのような本を読ませても、進路を決定するのに役立つと思うので、専門書としての大学生や社会人のためのものというよりも、より広範囲の読者をターゲットとすれば、さらに活用範囲の広がると思います。
いわゆるA級戦犯―ゴー宣SPECIAL
タイトルの「いわゆる」の意味がひしひしと伝わってきて、小林氏のバランス感覚に思わず脱帽である。一気に読了したら熱いものがこみ上げてきた。全ての日本人が読むべき良書であると思います。