あの日教室で歌った 思い出の合唱曲
「巣立ちの歌」は評者の高校卒業式で歌った記憶があるが、久し振りに聴き、師友との交流など往事を思い出し不覚にも涙した。今もよく歌われているのでしょうか。この一曲を聴くだけでも買って良かったと思いました。
混声合唱曲集 クラス用 New Chorus Friends 3訂版
中学生や高校生の皆さんの校内での合唱コンクールの選曲にピッタリの曲が収録されています。全部で51曲収録してあり、かつ値段も831円と安くとても良い内容で驚いています。
大学で合唱を初め、それから20年以上一般の合唱団で歌い、指揮してきた者です。
大抵の合唱曲は知っていると思っていたのですが、ある時、高校生や中学生から学校内で催される合唱コンクールの選曲に関する質問をいただきました。
その演奏される曲のほとんどを知らなかったので慌てて本書を購入した次第です。本当に良い曲が沢山歌われていることに驚きを感じました。
本書には、最近の卒業式に歌われる定番ともいうべき「旅立ちの日に」が収録されています。本当に感動的な曲ですね。松井孝夫の編曲により簡単でしかも効果的な仕上がりになっていますので、もしご存知ない方は是非歌ってみてください。
また、比較的よく歌われている岩河三郎の「親しらず子しらず」も収録されています。哀しいエピソードを盛り込んだ曲ですが、歌い終わった後の感動もまた格別です。
團伊玖磨の「河口」、佐藤眞の「大地讃頌」という合唱作品として歌い継がれてきた名曲も収録されていますので、クラス対抗合唱コンクールの時には、その素晴らしさの一端に触れて下さい。合唱の面白さが分かりますよ。
東海林修が作曲し、ステージ101が歌っていた名曲「怪獣のバラード」も懐かしい曲ですし、永六輔作詞、いずみたく作曲の「見上げてごらな夜の星を」もステキな合唱曲になりました。本書収録の楽譜で是非その歌詞とメロディの素晴らしさを体得して、合唱の歓びを感じていただきたいと願っています。
日本合唱曲全集「土の歌」佐藤眞作品集
土と蔵王と旅・・・収録されたみっつのカンタータ/組曲の題名。このコンビネーションの絶妙。現代の日本人が、今、触れて心豊かになれるものの象徴。土に触れて生命を思い、蔵王の自然に触れてその大きさを知り、旅に出でて人生を思い、日頃忘れやすい大切なものに気付く。この3曲は、その契機を与えてくれる混声合唱です。
Sugar!!【完全生産限定シングル】
詞が若い。すごくシンプルな言葉が並んでいる。むしろ幼いと言ってもいい。声もだ。そして音は打ち込み。これをシングルにしたというのは、何か意味のありそうな、次のアルバムもまた楽しみになってくる。
前作「TEENAGER」でも期待を裏切る若々しいエネルギッシュな作品を完成させたが、今回のシングル「Suger!!」もその流れを汲んでいる。「星降る夜になったら」を髣髴とさせる駆け抜けてゆくような曲だ。しかしサビの抜け切らなさというか、どこか歪に聴こえてしまうのはフジファブリックだからか。
個人的には「ルーティーン」のほうが好きだ。湖畔でキャンプファイヤーを囲んで聴くような、2本のアコギが連なったスウェーデン録音のフォーキーなバラード。ねちっこさはなく渇いた曲調で、こちらも詞が若い。
カップリングなので、これはアルバムに入らないのだろうか。完全限定生産ということで、手に入らなくなってしまうかもしれない。フジのゆったりとした曲調が好きな人、必聴です。
追記:DVDの「茜色の夕日」のパフォーマンスも必見。涙ながらに声を嗄らし歌う志村正彦の姿は少年のようだった。オマケで片付けるにはもったいない。
リーダーシャッツ 21 男声合唱編
男声合唱愛唱歌の楽譜がたくさん収録されている一冊である。
なじみ深い歌曲や唱歌や民謡の他、磯部俶の『ふるさと』や新実徳英の『聞こえる』、木下牧子の『夢見たものは…』など、
合唱ファンにはたまらない作品が多数収録されている。
中でも『大地讃頌』の男声版譜が収録されているのは特筆に値する。
作者の佐藤眞氏のコメントが付されているが、それが中々笑える。
佐藤氏自身の手により男声版が作られるまで、
他の編曲者によってたびたび非公式の男声版譜が作られ、演奏されることがあったらしい。
作者はそれが気に入らなかったようである。
なお、詳しい曲目はこちらを参照。
http://www.panamusica.co.jp/ja/product/7910/