日露戦争 廉価版
日露間の根本的な国力の差、絶望的とさえ言える兵力差、これはこたえますよ。しかぁ~し!!作戦で勝つ!!これがこのゲームの醍醐味ですな。一戦一戦常に勝利しなければ戦時国債で資金が集まらず戦争を維持できない弱小日本を勝利に導いた当時の政治家、軍人の苦悩を存分に
堪能出来ます。内容は5つ星ですが昨今のゲームの中ではグラフィックが今一なので4つにしました。
日露戦争史 - 20世紀最初の大国間戦争 (中公新書)
私たち一般人が知る日露戦争の姿は司馬の「坂の上の雲」のイメージでしょう。なかなか専門書には当たりにくいですし、何より明治後半というとっつきにくい(授業でも詳しく教えてもらえない)時代の出来事だからでしょうか。
そのなかで本書は、新書という小粒な規模ながらかなり完成度の高い内容で日露戦争を概観します。著者曰く、本書の目的は、「戦争はどのように始まったのか」「なぜ新興国日本が勝ち大国ロシアが負けたのか」「戦争からどのような結果が生じたのか」の3点。構成としては、1点目がかなり丁寧に書かれていて、2点目はごくわずか(つまり、例えば旅順攻略や日本海海戦など個々の戦闘の描写は少なめ)、3点目は文量は少ないですが質は高いです。
日露戦争が始まる経緯については、アジア(清、韓国)や欧米諸国を交えた複雑な両国の思惑を細かく説明していて少し読みにくいです。しかし、同時代のほかの戦争(いわゆる植民地戦争)と比較して論じているのは日露戦争の(それまでの戦争との)異質性を際立たせている点で分かりやすかったです。
そして、日露戦争の結果を論じた最終章はなかなかの出来。戦後、皮肉にもロシアが対日宥和策をとり、それが第一次世界大戦の二大陣営成立に発展していく「触媒の役割を果たした」との考察。そして遥か後の40年後、終戦間際に満州に侵攻したソ連の指導者スターリンは、「日露戦争の汚点を雪ぐ」戦いと位置づけたといいます。司馬のように、昭和日本軍への悪影響というネガティブな意味ではなく、冷静に後世に与えた影響を考察している点に好印象をもちました。
日露戦争が日露両国と国際社会に与えた影響についての考察、という1点においてだけでも高評価を与えたい好著です。
日露戦争、資金調達の戦い: 高橋是清と欧米バンカーたち (新潮選書)
豊富なデータに裏打ちされた一流の通史であると思う。
しかし、堅苦しい専門書ではなく、ストーリーの展開も息をつかせず、人物描写も良い。筆者の力量が感じられる。
通読した後、再度、ノートを取りながら、また、兜町盛衰記、証券百年史などと合わせて読みつつ勉強をさせていただいた。
本書の真の主役は「おカネ」であろう。おカネがなければ戦争もできない。勇ましく戦争をしていても台所は火の車だった。
おカネが喉から手がでるほど必要だった。
翻って今日、この時代よりもはるかに高い政府債務/GDP比率でありながら当時のような切羽詰まった緊迫感は感じられない。
戦争遂行をしていないということも大きな理由ではあろうが、資金を調達するということがどれほど大変なことで、どれほどおカネがありがたいものかという認識が現在、求められているのではないかと思う。
そのようなことを再認識する上でも好著であると言えよう。
明治天皇と日露大戦争 [DVD]
CGなど当然無く、全ては実物とミニチュアで撮影するしかなかったに時代の戦争映画してはスケール感もある。ただ、映画の出来栄えについては、忠臣蔵と同じく「錦絵を観ながら講談を聞く」の一言に尽きる。政治的解釈云々よりも「水戸黄門」ののりで鑑賞したほうが良いのでは。
半藤一利 完全版 昭和史 第一集 CD6枚組
聴き終わった後に、思わずため息と共に「良かったなぁ」と呟いちゃいました。 幕末史が良かったので、 そのまま昭和史も購入しました。 こちらも複雑な歴史を分かり易く紐解いていますが、 しかし、こちらはさらに、詳細な資料だけではなく、 実際の体験者・当事者から直に聞いた話などに支えられています。 教科書や普通の講義では伝わりきらない、 当事者が何を考え、何故こうなったか、 という生々しい話が、 その時代を共に過ごしているかのような錯覚を起こすくらいに伝わってきます。 戦後史素人から教科書的知識がある人まで、 幅広くオススメできます。 なお、オーディオブックとしての聴きやすさですが、 もともとが講演なので、 教科書の朗読ものよりも伝わりやすいくらいです。 また、話し方は、 江戸下町のべらんめえ調なので「ひ」と「し」の区別はありませんが、 苦になるものではなくて、 むしろ講壇調の感情移入しやすい名講演でした。