PATIENT 14 戦慄の人体実験 [DVD]
現代を舞台にした地味なSFです。
実際にあった人体実験をモチーフにしているようですが、話の内容は現実離れしています。
映画化にあたってのアレンジでしょうね。
聴覚が鋭くなり、更には他人の思考まで読み取れるようになってしまった女性が主人公なのですが、この女性は他人の思考が読めることと聡明であること以外、なんの武器も持っていません。
犯罪に巻き込まれ聴覚を失った善良だけど平凡な女性が、聴覚を取り戻すための治療を受けてから人体実験をめぐる様々な思惑に巻き込まれ、ささやかながらも懸命に抵抗して自分の人生を取り戻そうとする姿がとても魅力的でした。
じわりと訴えかけてくるラストシーンも非常に印象的です。
フィラデルフィア管弦楽団の首席奏者たち-モーツァルト:管楽器のための協奏曲集
フィラデルフィア管の音はアメリカの楽団で弦の響きが美しいので一番好き、モーツァルトなんか最高だろうなと思ってた… ここまで優美な演奏だとは想像しなかったので呆気に取られました。よく聴くベーム&ウィーンと多少の表現の差こそあれ良い勝負… 押し付けがましくない心地好い演奏ですね。特にファゴット協奏曲は良い… こんなに軽く上品に吹けるものなんですねえ、慎ましやかでは有りますが大した名人芸です。二枚目は更に上品で地味な通好みのモーツァルト…熟睡できます(笑)
三枚目のホルン協奏曲全曲は、ホントに素晴らしいフィラデルフィア管らしい明るく美しい、尚且つパワフルなモーツァルトが聴けます。この曲はいつもはカラヤンとデニス・ブレインの共演盤で聴いてますが… ブレインは「えぇっホルンだよね?」って驚きの滑舌の良い正確さで音色も抑制され美しい演奏とすれば、メイソン・ジョーンズは「あぁーホルンだあねえ」ってたっぷりとしたホルンの響き全開で力強くおおらかな演奏です。
フィラデルフィア管弦楽団の首席奏者たち アンコールVol.1&2
さすが名人ぞろいのフィラデルフィア管弦楽団である。録音された時期が1960年代前半というのがまた凄い。現代のソリストでもなかなかこの高みに達するのは限られているのではないかと思ってしまう。バイオリンのアンシェル・ブラシロウの素晴らしいソロで始まり、どの楽器も十分な名人芸を聞かせてくれるが、なかでもトランペットのギルバート・ジョンソン、ホルンのメイソン・ジョーンズ、ファゴットのバーナード・ガーフィールドのソロは選曲の良さもあって出色の出来ではないかと思う。ギルバート・ジョンソンは楽々とノーミスで難曲を吹ききっているし、メイソン・ジョーンズは速いパッセージと高音域の豊かな音量で魅了する。バーナード・ガーフィールドは20世紀最高のファゴット奏者の一人ではないだろうか。高速パッセージを何事もないように楽々と演奏している。ファゴットソロは録音そのものが少ないのでこの演奏は貴重だと思う。
スター・トレック:Q ボックス [DVD]
スタートレックの新シリーズが成功したのは、やはりQと言う設定にあったと思います。創作者ジーンロッデンベリーの意図を最大に汲んでいると思われます。そのQの出演作の全てが見られるのですから、ダブりを恐れず買うしかない。オリジナルシリーズに『ゴトス星の怪人』がありますがQの原型でしょう。同じくオリジナルのセカンドパイロットの『光るめだま』とBOX収録の『死のゲーム』の類似性。オリジナルの2作品も一緒に収録して欲しいぐらいです。未見の方には、Qの子供のような悪ふざけと神の如き行いの絶妙なるバランスを堪能していただきたい。笑えるストーリィーと考えさせられる話が渾然一体となったこのBOXをどうぞ。
バッハ・トランスクリプション
名指揮者ストコフスキーからフィラデルフィア管弦楽団の音楽監督のポストを引き継ぎ、40年以上の長きに渡ってこれを守り抜いた大指揮者オーマンディーの自身のバッハ編曲集である。ストコフスキーの編曲でなく、自身の編曲や知己のアーサー・ハリスの編曲を採用し演奏したあたりに、前任者への対抗意識も伺われるが、バッハ編曲の伝統をきちんと引き継ぐあたりは、なかなか老獪な戦略だ。……ここでの演奏はRCA移籍後の録音となるもので、レパートリーも増え、なかなか華やかなものである。「トッカータとフーガニ短調」や「パッサカリアとフーガハ短調」はストコフスキーの編曲も有名だが、オーマンディ編は弦楽器の輝かしさをより目立たせるテクニックが用いられており、比べてみるのも一興だろう。また、ストコフスキー編にはなかった「大フーガ(幻想曲とフーガ)」が取り上げられているのも面白い。