美丘 (角川文庫)
テーマとしては他の映画や小説で多く
描かれているテーマであるが、それを
この作品は真正面から描こうとしている。
話の組み立ては連載物という制約のため
急展開的な部分はあるものの、人が人を
愛するという純粋な想いが実にシンプル
な描写で描かれている。
プロローグを読んでこの作品を読むこと
に決めた読者も多いのではと思われる程
最初にこの作品のエッセンスは凝縮され
ている。
もし自分が主人公ならどうするのだろう
かということを考えさせられる作品である。
TBS系ドラマ「白夜行」オリジナル・サウンドトラック
「世界の中心で〜」のサントラも持っていますが、いまだにこのサントラは週に3〜4回は聴いています。仕事や人間関係に疲れたときに、心に潤いを与えてくれます。
ピアノも好きなのですが、心がささくれだっているときにピアノの旋律は少し痛い。
でも、これはピアノとストリングスがうまく重なっていて、心の奥底からジワーッとこみ上げるものがあります。壮大でありながら繊細、優美でありながら峻烈です。
ひとりで聴くことをお勧めします。
世界の中心で、愛をさけぶ 小学館文庫
話題になった後からどういう作品かを知りたくて読んで見たいと思いました。本書は、映画化、ドラマ化、舞台化されている作品です。私は、映画もドラマも舞台も見たことがありません。私の感想は、本書がそれほどもてはやされるほどの価値があるようには思えない作品のような気がするなあ。情景描写がそれほど巧だということでもないし、作品にのめりこむことができなかったなあという感じがしました。無人島で2人っきりになっているところで2章が終わっているのに、突然3章でアキが白血病で入院しているシーンがあるというところで、話の展開がわかりずらいなあという感じがしました。
本書は、朔太郎の回顧録みたいな形式で書かれているので、キーポイントごとに章立てがされています。もっと、アキと朔太郎の純愛の編年紀みたいにしたほうがいいのではと思う。アキと朔太郎の純愛の歴史と2人で白血病を乗り越えていく過程というのを時系列で並べていったほうがいいように思えるなあ。
本書のテーマは、愛する人を亡くしたときにどう振舞うかだと思う。本書の表現にあるように「不在は残されたものに悲哀をもたらす。」ということだろう。死んだ人(アキ)の形見や面影というものがその人(朔太郎)の中に息づいているということだと思う。
しかし、本のタイトル「世界の中心で、愛をさけぶ」はぜんぜん違うような気がする。オーストラリアで、愛をさけんでいたわけではないだろうしね。
白夜行 完全版 DVD-BOX
初回から泣かせる演出に思う壺だよ…と思いながら
うかうかと泣いてしまっていたのです。
そろそろその演出にも飽きてきた頃、この主人公二人を本当に醜いな…と思う回があり、
その事が逆にあわれで涙がこぼれ、このドラマがまた好きになってしまいました。
山田くんの汚さと弱さ・武田鉄也の凄みが秀逸。
原作とは違う魅力があると思います。