日本哀歌集(知床旅情)
低価格の値段や歌詞カードのそっけなさからすると,売るつもりでプロデュースしたものではなさそうです.が,このCDを聴いたときに『見つけた!』と,思わずうなづいてしまいました.歌の内容は戦前戦中の軍国主義色の濃いものが多々あり,その様なものを厭う方にはお勧めできませんが,先人達が通ってきた時代々に思いを馳せ,純粋に音楽として聴こうとした時に,この盤の良さが理解できるのではと思います.録音は古そうですが,今の音楽はうるさくて疲れるとのご意見をお持ちの方,騙されたと思って一度聴いてみて下さい.聴きたい音楽の方向性が見えてくるかも知れません.
世界遺産・知床がわかる本 (岩波ジュニア新書)
知床の歴史と地道な調査の結果、そして現在行われている自然保護の取り組みなどを説明している正統派の解説書です。声高に自然保護を力説する本でもなく、破壊の歴史を憎む言葉もありません。正確なデータの積み重ねで知床の全体像と今後の課題を淡々と述べている姿勢からは、むしろ自然に対する愛情と、世界遺産を受け継いで行く若い人たちへの静かなメッセージが伝わってきます。
ジュニア新書ですが、情報の正確さとデータの新しさで、大人でも納得の行く上質なものになっています。
海と森のドラマ 知床―オホーツク回廊を行く
北海道に住んでいても、東の端に位置する知床にはなかなか行くことはない。この本を読む前は、「知床旅情」、流氷、クマ、シカ、オオワシ、シマフクロウ、タラ、サケ、マスなどと、思い浮かぶくらいだった。
数年前から、知床の世界自然遺産への登録の運動が始まった。そして、今年、登録はほば確実になったと報道された。「生態系(流氷が接岸する世界南端の地で、海と川と森がいったいとなった独特な生態系)」と「生物多様性(オオワシやシマフクロウなど世界的に貴重な絶滅危惧種が生息する野生生物の宝庫)」が評価されたという。
「知床半島は、流氷漬けとなっていた。北半球の南限であるこの流氷こそが、知床の知床たらしめている特異な存在だ。」で始まるこの本は、私を新しい知床に導いてくれた。
この流氷が全て知床の源に位置し、知床を育んでいる。その流氷がどうやって出来るのかを探るためにオホーツク海を駆けめぐる若土教授の話は、どきどきするくらいスリリングだし、サハリン、カムチャッカとオホーツク海を巡り、やがて流氷のふるさとシホテアリンにたどり着く話には、すばらしい知床は、世界につながり、世界の恵みをうけて成立しているのだという悠久の時さえ感じてしまう。
この本は、とてもさまざまな事が盛り込まれている。
知床に惹かれてやって来た人達の話。例えば、写真家の星野道夫、竹田津実、岡田昇。
知床の自然の魅力やアウトドア(流氷ウオーク、半島一周シーカヤックなど)。
この1冊で知床が全てわかると言えるくらい盛りだくさんだ(フォーラムでの倉本聰や高橋恵子の講演録まで出ている)し、それなのにとても読みやすい。。それは、この本がもともと、この1年、知床を書き続けた新聞記事をもとにしているからかもしれない。
それと、たっぷり出てくる写真。知床の魅力を余すことなく写し出している。
知床を知るための確かな1冊とお勧めできる。
Nikon 双眼鏡 トラベライトEX 8×25 CF
今まで、低価格の双眼鏡をつかっていましたが、バードウォッチングを始めるのを機に、
父の勧めもあり、購入しました。
最初から、候補はトラベライトEX 8x25 CF だったので、いいなとおもっていました。
それに、Nikonの直売店でトラベライトEX 8x25 CF を試してみたので、よかったです。
日本のうた
色んなジャンルの曲が収録されていますが、どの曲にもいえることは、畑さんの歌に対しての真摯な姿勢と歌詞の解釈でしょうか。特に「日々草」(歌詞:星野富弘、作曲:加羽沢美濃)で人がその日1日を色んな出来事に出会いながら、色んな感情を抱き、それでも、それらの出来事をフォローしてくれた♪沢山の平凡なことがあった♪という結論にいきつく強さに惹かれます。また、友人の哲学者の経験をもとにして書かれた島崎藤村作詞の「椰子(やし)の実」は椰子の実に自己投影をした歌でこの曲も好きです。
そして合唱曲「水のいのち」の作詞家としても有名な高野喜久雄の「くちなし」では、亡父と息子の思い出が、父親が植えたくちなしの木を見てよみがえるという曲で、すごいのは「ごらんくちなしの実をごらん熟しても口をひらかぬくちなしの実だ」という父の言葉を思い出し、それを祈りと解釈する息子。この3曲が特に強く印象に残りました。