ポール・モーリア全集~オリーヴの首飾り
ヒット曲を中心に無難な選曲がなされているので、ポールモーリアのCDを初めて購入される方にはお勧めかも。モーリアの初期の作品には隠れた名曲が多いので新しいCDにはどんどん取り入れて欲しい。
どこかで聴いたクラシック クラシック・ベスト101
クラッシックが大好きという私と同じ方には、聴き入るほどではなくBGMとして流すには良い作品です。今、いろいろなクラッシックベストが出ていますが、その中で初心者にはこのアルバムはいい?と思いました。だから、友達からラフマニノフが聴きたいと言われ、突然ラフマニノフの世界へ入るのには…寝られても困ると思い、オムニバスCDを探しました。そこで、知っている曲がほとんどでラフマニノフもショートカットしていないこのCDをプレゼントし、自分も買いました。癒しのクラッシックとしてはお勧めできます。
ポール・モーリア30thアニヴァーサリー・コンサート [DVD]
若い時の思い出にと、このDVDを購入しました。初期のオリジナルと少々異なる編曲で、お値段も高い事を気にしない方にはお薦めです。お安い価格ではCD&DVD2枚組「ポールモーリア/スーパー・ヒットベスト」でも恋はみずいろ他計5曲の同じ映像が楽しめますので、購入の際に検討されるのも良いと思います。こちらも初期と異なる編曲なのが残念ですが・・。
ポール・モーリア
セルジュ・エライク著「ポール・モーリア」(審美社 2008年)を読む。(Serge Elhaik"Paul Mauriat , Une vie en Blue" 2002)
本著は、限定出版されたポール・モーリアの「自叙伝」の「縮刷日本版」である。
1962年「愛のシャリオ」(=I will follow him)がヒットするまでのフランスでの下積み生活、1968年「恋は水色」が全米ヒットして一躍有名になってからの活躍などを中心に、興味深いエピソードが数多く盛り込まれている。
ポール・モーリア自身は、シャイで、おごり高ぶることのない性格だったという。日本ツアーでは、必ず夫人を同行させ、精神面での安定を図ったようだ。
音楽ビジネスは一筋縄ではいかないらしい。ちょっと眼を離せば、ミュージシャンたちは手を抜き、自身が描いた音楽とはほど遠いものとなってしまう。ポール・モーリアもその辺の葛藤に悩んだようだ。
「恋は水色」は彼の名前を有名にしたものの、米国での彼の人気は「一発屋」に近いものだった。「ビルボード」チャートを見れば、そのことははっきりしている。
その彼を救ったのが、日本のファンだった。米国ツアーはたった3年で終わったが、日本には毎年のように訪れ、合計1200回ものコンサートを開いた。
晩年、フランスでは忘れ去られ、町を歩いても気づく人もいなかった。1993年には、フィリップスとの契約をうち切り、日本のポニーキャニオンと録音契約を結んでいる。「蒼いノクターン」「涙のトッカータ」「オリーブの首飾り」といった一連のオリジナル曲は、米国やフランスでは、ほとんど知られていないようだ。
かくも日本で人気があるのは何故か?
日本人のフランスに対するあこがれ(片思い)を巧みに取り入れ、誠実な人柄でファンサービスを熱心に行ったことが、大きな要因かも知れない。
本書は、約310頁で3,360円。残念なことに、ディスコグラフィ、年表等の基本的資料は省かれているので、やや物足りない感じもする。しかしながら、今年、イージーリスニング音楽関連でこういう本が出版された事実は、ファンとして心強い。