三四郎 (SDP Bunko)
前期三部作の初作と言われる。漱石の鏡子夫人との夫婦関係が破綻していたのは有名な話だが、本作から漱石は夫婦(男女)関係を中心とした家族関係・人間関係をモチーフにした作品を発表し続ける事になる。本作は登場人物の配し方を見ると、まだ軽いジャブのようで、読み方によっては三四郎を主人公とした青春小説と取る事もできる。
作中の広田先生は漱石自身を模したものであろうし、野々宮は寺田寅彦氏を模したものだろう。また、作中で重要な役割を果たす美禰子は、「坊ちゃん」のマドンナの延長のようで、まだハッキリとした個性を打ち出せていない(と言うか、心理描写を試みない)。曖昧模糊としているのが、女性の本質だと言う意志表示の表れかもしれないが。あるいは、マドンナとも共通する行動の不可解さは、理想と現実とを明確に区別して、最終的には現実を取る計算高さを表明しているのかもしれない。
熊本から東京へ向かう途中の宿で、三四郎は同宿した女性から性的にからかわれる。三四郎にとっては謎の範疇である。東京に出て帝大に入り、広田先生達とも出会うが、同時に美禰子とも出会う。三四郎と美禰子との関係を描写する漱石の筆も隔靴掻痒の感がある。「男=女に翻弄される存在」という基調テーマが全篇に流れている。その一番の象徴が美禰子の結婚が決まった時、三四郎が呟く「stray sheep...」という言葉である。私などはこの言葉に納得してしまったものだが...。
帝大に合格して地方から出てきた青年の経験を通じて明治の学生生活の一典型を描きながら、男女の愛について踏み込み、かつ明確な解を与えず、男にとって"迷える子羊"という永遠の謎を提供した漱石の代表作。
僕の初恋をキミに捧ぐ メモリアル・エディション [DVD]
ありきたりなラブストーリーですが良かったです。
幼い頃の約束を希望に一生懸命生きていこうとするのですが・・・。
10年以上にもわたる2人の歴史を思うと、とても不憫でなりません。
思わず涙を流しました。
普段は何も考えませんが、今こうして健康に生きる事ができている事を感謝したくなりました。
と同時に、学生時代に戻りたいなと思ってしまう作品でした。
クリアネス [DVD]
篠原哲雄監督は、現代の日本映画界では最上位に位置する監督のひとりだ。どの作品も大仰なクライマックスがあるわけでもないのに、観客を心地よくさせてくれる。本作もそんな一本だった。ケータイ小説の映画化っていうのは、今までどうも成功作が少ない。これは若年層に取り入るような作り方をしているからであって、オトナが観れるレベルではなかった、ということだ。そこはさすがに篠原組だけあり、きちんと大人の鑑賞に堪えうるシャシンに仕上げており、かつ内容も、一歩間違えるとB級Vシネになりそうな素材を上手く料理してあった。また石垣島や大阪のロケーションも安っぽさ感がなくてよい。篠原組で南の島、というと「深呼吸の必要」だが、あの暖かい雰囲気は今回も健在だった。主演の杉野希妃と細田よしひこの「か弱い」感じを出した演技もよかったし。杉野は映画本編は少ないようだが、もっと映画にチャレンジしてもいいのではないか。今回も「カラダを売る商売」と「恋愛」の狭間を必死に表現していたから、真実味があった。早く次が見て観たい女優である。特典のメイキングはもう少し充実させてほしかったが。全体的には星3つ。
BADBOYS バリクソBOX(初回限定生産) [DVD]
最近よくある「マンガ原作映画」「イケメン映画」とは
明らかに一線を画した作品。
何より違うのは原作へのリスペクトが強く感じられること。
原作の知名度、話題性だけにおんぶに抱っこの作品ではなく、
「この原作を映像にしたい」という作り手の強い思い、
そして、地元・広島への愛を感じる。
原作の1エピソードを深く掘り下げ、
脇役の一人だった「野村豊」を軸にしたオリジナルストーリーでありながら、
原作の名シーンも要所に再現されているし、
漫画のキャラクターが生き生きと人間らしく蘇っていて
原作ファンが見ても気持ちがいい。
キャスティングを見ても原作重視なのがよくわかる。
話題の役者ありきの原作当て・・・という順番ではこうはならないはず。
暴力シーンも多いが「子どもに見せたくない」というものではない。
「痛み」をもって、いろいろなことを教えてくれる映画でもあると思う。
初回限定バリクソBOX特典もよかった。
幻のパンフレットにある原作・田中先生の絵コンテは涙モノだし、
田中先生の映画への思いも「そうそう!」とおおいに共感できる。
また、あえて映像化されなかったラストシーンのシナリオなど、読み応えがあった。
これで終わりなんて許さない!(笑)
続編、期待してます。
僕の初恋をキミに捧ぐ スタンダード・エディション [DVD]
まず作品の主人公である繭が逞を思う気持ちがとても
素晴らしかったな
繭が逞のことをいつも気づかっているなんてこんな
彼女がいたら男性からしたら素晴らしいのかも
(私、女性ですが・・・)
あと逞が愛する繭のために遠ざかっていくところは
とっても切なくてたまらなかった
キャストもとてもあっている
原作みたいに成績優秀な繭というより、
映画はちょっとおばかなところがある繭
真央ちゃんは『花男』のキャラと微妙に似ているかも
負けず嫌いなところが(たぶん・・)
逞はちょっと原作ではワイルド系?というより、
映画の逞はちょっと癒されちゃう純粋系キャラ
将生くんは本人そのものの性格と似ている
天然っぽいところとかがとにかく似てます笑
青木琴美の漫画はちょっとHで激しい作品が
多いのでまた『僕は妹に恋をする』みたいな
作品になってたらどうしょうと思ったけれど
今回は監督(映画『Life 天国で君に逢えたら』の監督の人?)も
素晴らしい方なんで出来上がってみるとちょっと見ていてホッとする作品に
仕上がっていて安心しました…
原作系の大ファンの人からしたらちょっと純粋過ぎ?
なのかもしれないけれど私は満足しちゃったな
原作を私読まなかったので
(どうせ激しい作品なんでしょと思ったからです・・スミマセン)
作品は全く知らなかったのですが初めて見ても
ストーリーがわかりやすかったと思うかな
初めて見る方にもオススメだし
原作ファンはちょっと原作のイメージを
消してみるのもいいかもです
そしてアレだな
平井堅さんの主題歌
映画の主題歌が流れる前の時点で私は号泣状態で・・
メガネかけて鑑賞していたのでメガネに飛んだナミダが
スゴイ状態で・・
『た・・くまぁ〜』と思っていたそのときに
あの曲が流れて・・・・
良さ過ぎる!!!
なんか逞が繭に送ったようなメッセージ感のある
あの曲素晴らしかったと思う!
平井さん素晴らしい方!
最後のラスト歌詞
『―さよなら』
あれで号泣しまくりましたね
映画館を出た後は全然涙もろくない友達と来たせいか
その子に顔を見て大爆笑されて
それぐらい顔が真っ赤になっていたのかも・・・
繭の最後の素晴らしいセリフのせいか切なさ、悲しさは
あまり残ることがなかったので
ドロドロ感が全くなかったです
『恋空』みたいにハプニングも多くなかったし
よかったー
映画観た後はDVD絶対買うって思いましたもん
頭にずっと記憶しておきたい映画だな
私も彼氏ができたらあんな恋がしてみたいです
絶対オススメだからいろんな人に見て欲しい作品です!