ロドリーゴ:ピアノのための作品集(全曲)
独特の境地ってほどでもないですが、こういうスペインっぽいけど涼しい音の造りは、他には聴いたことがないです。
情熱的な曲もファリャやアルベニスみたいな熱狂ではなく、もっと洗練された印象を受けます。
音の少ない静かな曲は、枯山水のような感じでしょうか。モンポウが近いかも? でもあそこまで抽象的でも切りつめてもないです。
全部20世紀の作品ですがメロディは全音階的でとてもきれいですし、調性も明確。
バロック様式のソナタやラヴェルの「クープランの墓」と同種の擬古組曲もあり、形式は多様です。
フランスものがいける人なら、きけないってことはないと思います。
私は、ときどき出てくる切ないメロディや壊れたような和音がたまらなく好きです。