漂流ネットカフェ 1 (アクションコミックス)
退屈な毎日を送っていたサラリーマンが
帰宅途中にフラリと寄ったネットカフェで大きなトラブルに巻き込まれる話。
特定のメンバーに制限された世界で
気弱な主人公がサバイバルしていくという意味では
「自殺島」にも似た方向性で、
サバイバルものでよく起こる事件を踏襲しつつも
途中からは予想外の展開を見せていく。
冒頭から物語に引き込むのが非常にうまく、
登場人物に感情移入させた上で一気に引っ張っていく。
先がどうなるか気になる場面の連続で途中でやめ時を失うほど。
舞台設定の関係上、エグいシーンが多いが
それこそが魅力のひとつとも言える。オススメ。
スイートプールサイド (少年マガジンコミックス)
なんちゅー話や...。剃毛マンガ?そんなジャンルは無いか。くだらない、けどくだらなくない。小中学生にとったら身体の変化の悩みは戦争より核兵器より原発よりも大問題であろう。くだらない訳がない。さすが押見先生、目の付け所が違います。少年誌でアソコの毛を描いてしまう人はなかなかいまい。尊敬します。元々は青年誌に載ってたんすけどね。時々出てくる楳図タッチの絵もイケてます。太田と坂下の関係をちょっと羨ましいと言ってる小太り君がいたけどなんか気持ち分かります。2004年の作品つーことで、絵は現在の方が妖艶で綺麗ですが、なんだか妙に色気があって一目で押見修造の漫画だと分かる絵はこの頃既に完成してます。超常眼球沢田も負けず劣らずくだらなさ全開ですが、作者がその時に持ってる全てを注いで描いているのが伝わって来ました。そうして作られた作品はもはやくだらなくはないのです。面白いか否かは個人が決める事ですが、決して馬鹿にしてはいけません。アホらしい話でも全力を出して頑張って産み出された作品を馬鹿になんて出来ません。「なんかエロいね」の「なんか」、感じましたよ。
惡の華(5) (講談社コミックス)
佐伯さんが激昂した時に上州弁になってしまうのがリアルでイイ!
マンガ大賞2012にノミネートされたので、是非とも大賞受賞して欲しいですね。
アニメ化されたら…仲村さん役は誰なんだろう、佐伯さん役は能登麻美子さんが合うような。
惡の華(4) (少年マガジンコミックス)
もう、この作品は、前巻あたりから、
実は読者をかなり選ぶ作品になってきているような気がします。
思春期の危うい感覚をエロとともに表現した漫画、あるいは、
SMの構造はよく知らず、単純に上っ面だけの知識とその刺激を期待した漫画、
として読んできた層は、
そろそろ脱落してもおかしくありません。
どうにでもしてとすがりつく美少女佐伯を、
振り払う春日を理解できないなどと思ってしまうようでは、
この先さらに、この作品には共感できなくなっていってしまいそうな予感がします。
それほどコアな展開を予感させてしまいます。
そんな人は、隷属のシステムを文学で知るのも一興です。
いわゆる有名どころの海外古典は読みづらいという方は、
村上龍の一連の被虐嗜虐嗜好作品が読みやすいです。
乱歩の短編なんかもマニアックさは初級ですが、読みやすいです。
変態とひとくくりに言っても、こちらは行為ではなく心理的な枷が最もキモですから、
普通に変態的エロ展開を期待したら、肩すかしを食うかも知れません。
それだけ本格的という事でもあるのですが。
正直ここまでマニアックな展開になるとは思ってもみなかったので。
(少年誌ですよね。。。)
個人的観測では、春日が仲村には被虐、
その監修下により佐伯には嗜虐性をエスカレートさせるのでは・・
ネガとポジですから。
そして亜依はとりあえずは観察者、ですかね。
仲間に加われば、あの気の強さがとてもいい感じなのですが。
このまま、果たして限界まで表現できるのか、先が楽しみです。