「Strange Days」を聴いて”音楽による落ち込み”を初体験した(以降同体験皆無)。ドアーズと同世代では無いが、このDVD見始めて数分でその記憶が蘇った(次第に‘自分は何故?’)。全く別の”音楽体験”をしたければドアーズの作品、出来れば1stと2stを聴いてから。P.S.値段の割りに凄く長い!LASTの”J.モリソン抜き”まで目一杯!
Doors (Mlps)
以下は2チャンネルのSACD層を聞いた感想です。
いろいろSACDは持ってますが、これほどミュージシャンの世界観を表現するのに、
音の良さが効いた例は知りません。
漆黒の闇の中に、深遠なる詩と謎めいた伴奏が浮かび上がり、
実にセクシーな一枚です。
DVD−Aよりボーカルやオルガン、シンバルの音がよく伸び、よく走る感じで、
さらに生々しく聞こえます。
SACDは滑らかでノイズレスなアナログレコードを聞いているようです。
演奏が突如盛り上がる部分でのエネルギー感の表現もDVD−Aより狂おしさを感じます。
今度こそDOORSのサウンドの核心に触れた気がしました。
できるだけいいSACDプレーヤー、いいオーディオシステムで大音量で聞いてください。
今回、私は不覚にも感涙が流れるのを抑えきれませんでした。
ザ・ドアーズ ライブ・アット・ハリウッドボール [DVD]
昔「黒豹のような姿体とビロウドのような声、危険な雰囲気をもつ男」といわれたジム・モリソンをはじめて動く姿で見ました。
このDVDでは黒豹の姿体というのはちょっとイメージがちがっていましたが、
危険な雰囲気というのは充分わかりました。
同じ「アブナイ」雰囲気でも、今どきの「アブナさ」とは違う
真正面から破滅に向かってつきすすむようなある種の正直さをもった「アブナさ」を感じ、時代の違いを思いました。
レイ・マンザレクのキーボードのメロディとジム・モリソンの声は深夜聞くと
心にしみます。個人的には、昔のレコードの音のほうが、DVDの音よりもいいとおもうけれど、これはこれで、見る価値、聞く価値はあります。
ジム・モリスン詩集―「神」「新しい創造物」
これは、本当に美しい詩集ですよ。六十年代に活躍した伝説的なバンド、ドアーズのボーカリストだったジムモリスンが、一方で胸中に真の詩魂を秘めた人間であったという事がよく分かります。
本詩集は、英語の原文も付いているので、ジムモリスンの詩人としての力量も直接に味わえます。たとえば、「神」(The Lords)という表題の詩集の第1行目は、日本語訳で「ぼくたちの崇めるところを見よ」となっています。これは英語の原文では、「Look where we worship」です。発音を簡単にカタカナで表記すると、「ルック、ウエァー、ウイ、ウォーシップ」。要するに、「ルック」と軽く発音したあと、三つ連続して語頭に母音が続いているでしょ。これによって、印象的な響きの中に言葉の意味を超えたイメージが沸いてきます。
かつてドアーズのカリスマ的なボーカリストだったジムモリスンが、同時に真の詩人の一人であったという事は、死後三十年以上経ってようやく多くの人々に気付かれるようになっています。彼は夭折したアーティストの一人ですが、この詩集はそんな彼の芸術家としての美意識がぎっしりと詰まった、まさに珠玉の一冊です。
太陽を待ちながら
最近はいろいろ出ているから、よく調べると新しいのなんかがあるのかもしれませんが、ちょっとむかしまでは、たぶん「Wintertime Love」の入っているベスト盤というのは1枚くらいしかなかったはずだと思います。どうしてなのか、この曲がたまらなくすきで、メロディもテンポも、すべてが完璧にきっちりまとめられた美しい作品だと思います。たしか、こんなキャッチーな作風でもあるし、これはロビー・クリーガー作品だったと思いますが、2分に満たない小品だけれど絶妙な感覚。ハープシコードのたっぷりとした流れ、盛り上がりの急上昇、降る雪の冷たさみたいな展開のきらめき、気負いのない自然なヴォーカル、せつないコーラス、なだれ込むようなエンディング、すべては一瞬のうちなんだけれどどうしても胸がいっぱいになります。「今年の冬はとても寒くなる」というリリックも素晴らしく美しい。