静かな時
駒沢裕城の奏でるペダル・スティール・ギターの音色はクラッシック音楽の弦楽器にも似た調べで、耳を澄ます者達の心の隅々にゆっくりゆっくりと染み込んでいきます。それは朝早くの澄みきった空気であり、澱みのない水のようです。全曲から聞こえてくるペダル・スティール・ギターの音色には派手なものは何もありませんが、彼が奏でるペダル・スティール・ギターによって紡がれたメロディの中に生命の息遣いを感じ取る事が出来ます。それは日々の生活の中で彼自身が見つけた尽きさせてはいけない永遠の命の大切さを、このアルバムの収録曲の演奏に注ぎ込んでいるからなのでしょう。収録曲全てにおいて神秘的で荘厳な生命力に溢れたアルバムだと思います。