ソロモンの偽証 第II部 決意
第一部に続いて丁寧な書き方は同じなのですが、違和感を感じる部分があります。
第一部で主人公の少年少女たちの心の中にあった「闇」がどこかに行ってしまい、
実に素直な子供たちに変化しています。あまりにも簡単それぞれの抱える闇を
処理しすぎなような・・。
また、多くの親や教師が子供たちの行動を手放しで応援していますが、実社会
においては書かれている方向とは逆にシフトすると想像します。
第二部は少しご都合主義の傾向が強く感じました。とはいえストーリーは
ぐいぐい読ませます。早く第三部を読みたい。発売まで他の小説は読まないことに
しています。この話に集中していたいのでエッセイなどを読んで第三部の発売日
を心待ちにしています。
パーフェクト・ブルー [DVD]
まずまずだと思うが・・・
暗いテーマだが、見終わって薄っぺらく感じるのは原作のせい?シナリオのせい?演出のせい?それとも役者?
役者は熱演だが、主役の加藤がまるでシロート以下、あまりに稚拙。女優として適正にかけているのか、ただのミスキャストなのか・・・薄っぺらさはここに起因するのかもしれない。
ブレイブ ストーリー 新たなる旅人
PSPのRPGでオススメは?と聞かれたら、とりあえずこれを薦めています。
ワタルとミツルの他にもう一人の旅人がいたという設定のストーリーは、少し淡白だけど面白い。
24時間もあればクリア可能。私が26時間でクリアした時にはモンスターリストに2箇所空きがあるだけで8割〜9割やりこみ要素もクリアしてました。
丸ボタン長押しで全員が「攻撃」を実行してくれて、弱っている敵をオーバーキルすると残りの敵まで殴ってくれるエクストラアタックはとても便利。
コミック調の擬音(ドガシャ!ドカン!とか)の文字が出るのも楽しく、仲間と主人公の間で覚える連携技は演出が綺麗。ステータス異常で顔グラが変わるのも細かい。
移動スピードも速く、なんにでも素早く反応してくれるボタンで、操作感もばっちり。
中盤で全体攻撃を覚えるタイミングや、街の人のセリフにも違和感が無く、笑えたり、ホロリとするエピソードもあって、よくまとまった良作RPG。
ボリューム勝負のRPGじゃないところが好き。柔らかい雰囲気のRPGが好きな人にオススメ。
ソロモンの偽証 第III部 法廷
宮部さんのファンとしてはしっかり宮部ワールドを堪能できました。
が、細かいところでひっかかってしまい、前作の{おまえさん」や「ぼんくら」などを100%楽しめたのとは少しちがいます。宮部さんの江戸ものは完全にエンタテイメントとして読めますからね。
私がひっかかったのは言葉づかいです。この時代設定は1990年。今から20年以上も前ですね。公衆電話を使っていた時代です。携帯電話はありません。その頃、「どん引き」という言葉は使っていなかったし全体に中学生たちがどう読んでも現在の中学生に見えます。それは言葉づかいやしぐさや雰囲気ですね。注意深い宮部さんにしては?と思います。それと中学生が使う言葉にしてはあまりにも難解すぎる言葉が山盛りです。判事の井上くんが特に。
筋書きとしてはよくできていると思いますが神原くんの過去に関する記述がくどいかな、と思います。全体にやや長すぎて連載をまとめたような感があります。単行本で出すなら少し書き直したほうがよかったのかも。
でも毎晩少しずつ読んで楽しめました。おいしいものを味わうように大切に読みました。
やっぱり宮部みゆきさんが現在の作家の中ではナンバー1です!
ソロモンの偽証 第I部 事件
タイトルとコピーが素晴らしいですね。
「その法廷は14歳の死で始まり偽証で完結した」
これだけで、ストーリーがたまらなく気になります。
さて単体でみると、三部作中の第一部なので仕方ないのかもしれませんが、はっきり言って“ミステリー”としての作中でのミステリーたる部分がよくわかりません。
冒頭で自殺する少年の、その動機などがおそらくそれにあたるのでしょうが、少なくともこの第一部ではほとんど触れられません。
警察も自殺で間違いないという判断を下しますし、その動機に限っていえば、大した問題としては扱われずにストーリーは進行します。
ただ、全体的に常に何かもやもやとしたものを漂わせているのもたしか。
終盤では、まさに急展開というくらいにいろいろなことが起こるので、それらについても今後扱われるのでしょう。
いずれにしろ、単体でみるとあまり“ミステリー”という感じはしません。
折込のチラシを見た感じだと、重要な登場人物もまだいるようですし。あくまでも、二部三部へのプロローグという印象です。
700ページ以上あるのでだいぶ長いプロローグですが(笑)
終盤まで、あまり大きな出来事は起きませんが、それでもつまらないということはないです。
小さなトラブルはちょこちょこ起きます。
また、登場人物がそこそこ多いほうだと思うのですが、それぞれキャラクターも立っていて、すんなりストーリーに入り込めると思います。
個人的には、境遇が似ている登場人物がいてほんの少し混乱した場面もありましたが。
二部三部を読んで、早くコピーの意味を知りたいです。
非常に楽しみです。