気違い部落周游紀行 (冨山房百科文庫 31)
これは、きだみのるという第一級の知識人が書いたユーモア日本人論である。
書かれたのは1946年、戦争に負け日本がまだ「国際的閉門」のお沙汰を受けている時である。
著者は東京の西端にある川沿いの13戸しか家のない集落の無住の寺に住み、村人たちを観察しノートする。
急峻な山の迫る村に付けられた異称は凄まじいものだが、その過激さは決して集落の住民に向けられたものではない。
ぼくが声を立てて笑った一節。
「(66歳のジンザ爺さんは西多摩に住んでいるのに,なぜか隣国である甲州の自慢を著者にする}
先生,甲州はええ国でっせ。物産が七つもある。
こんな国は日本国中金の草鞋(かねのわらじ)で捜したってありっこねぇ。
ええと先ず,水晶にとうもろこし,絹に葡萄、たばこに柿,はてそれから何だっけ。
いや未だ一つある筈じゃ.はあてな……それから信玄公の法名を先生知ってるかね。
これが日本一長いと来ている。覚えときなさい。ただ残念なことに浅野内匠頭の方が二字長い。
残念至極ですわい」
ジンザ爺さんになぜ甲州の自慢をするか聞くとこうである。
「西多摩には威張れるほどのものはないのでな」
これを読んで笑えた人には是非お薦めの本である。
村の人はこうも言ったりするのだから。
「先生,良心てのは,自分の中の他人だな」
モロッコ/アラブ・アンダルスの歌~アミナ・アラウイ
かつて遠い昔、イベリア半島南部で生まれたアラブ・アンダルシア(アンダルス)音楽・・・それは、イベリア半島からイスラム教徒がマグリブに退却すると共にかの地へと継がれていったということだが(それ以上に詳しいことはその方の本やこのアルバムの解説に任せるとして)、このアミナ・アラウィという歌手はモロッコ人ということで、アンダルス音楽を今に伝える素晴らしい担い手の一人。
音楽は時代と共に様々に変わっていくが、アンダルスの伝統をこのように聞きやすい形で聞けることは幸せなことだと思います。
何となくアラブ音楽らしさがあると思うし、アフリカンらしさだったり中央アジア辺りだったりが有りつつ、歌に優しさが感じられるというのか、地中海音楽らしく全般的にゆったりとしていて、時にどこか優美さとか気品といってもいいくらいな感じがしたのが印象的でした
モロッコあたりはもちろん、アルハンブラ宮殿にも行ってみたくなりましたね。
歌詞の日本語訳もついており、楽器と各演奏者も表記されています。ちなみに、彼女自身もダフという大型の片面太鼓を叩いているそうです。
デイズ・オブ・グローリー [DVD]
見ごたえのある映画ですが、必ずしも壮絶な戦争アクションだけに焦点をあてているわけではなく、植民地で自由フランス軍に志願したアラブ兵達の不運な境遇やヨーロッパ戦場での様々な心境の変化を巧みに描いています。日本に住んでいる限り、アラブ人に接することはほぼ皆無に近いですが、フランスに在住すると、イスラム文化との接触なしでは済みません。パリはアラブ語が喋られている世界最大の観光地という冗談が、パリ滞在中にはいやというほど実感できます。その反面、日本人がアラブ人の生の人間を知ることは滅多になく、お互い異邦人同士となっています。
この映画を通じて、アラブ人(pieds noir と言われる人達も含め)を一層具体的に、同じ血の通う生の人間として知ることができて、よかったと思っています。兵隊に行く若い息子を送る母の気持、フランス人達からの絶え間ない差別や侮蔑、フランス語を喋っても多くが読み書きできないアラブ兵達、ドイツ兵達と最前線で熾烈に戦うアラブ兵達、いわば“使い捨て”のような可哀想な境遇にあるのですが、映画は感傷的な視点を一切省いているために一層それが見る者に伝わってきます。よく言えば、戦場での多少の叙情性と哀愁さえ感じられるなかなかの傑作です。
旧日本軍も、台湾や韓国出身の人達に対してこのフランス軍のようにしてかなり差別的に待遇したようですが、戦後、それをめぐっての名作というのはあったのだろうかと思わされた映画でした。
[ファティマモロッコ] チマヨバスケット
2個並べて雑貨入れにしようと考え、淡いグリーンとオレンジをポチっと。
届いたバッグは、とてもカワイイかったけど、ビビッドカラーでした。
グリーンは完全に蛍光色。オレンジも蛍光色より。
素材はよくわかりませんが、見た目はアクリルっぽい毛糸に思えました。
また、2個中1つは底が丸くなっていて、自立せず。
小物入れとしては使えないし、バッグとして使うときにも、置くことができないと転がってしまうので、返品することに。
こういう商品の場合、個体差があるのは当然だと思うのですが、””かなり””の個体差があります。
持ち手の長さとか、大きさとか。
そして、長財布は入らない大きさです。
小さな財布+携帯+文庫本くらいしか入らないと思います。
色々書きましたが、すごーーくかわいかったので、色さえ蛍光色じゃなくて自立したなら、部屋に飾りたかった〜〜
返品送料無料だったので、助かりました。