2010「大瀬戸 一馬VS橋元 晃志&日吉」 千葉国体 少年B 男子100m決勝
1 大瀬戸 一馬 福岡 小倉東高 10秒47 大会新 2 諏訪 達郎 三重 四日市工高 10秒68 3 橋元 晃志 鹿児島 川薩清修館高 10秒69 4 日吉 克実 静岡 修善寺中 10秒76 5 須田 隼人 神奈川 橘高 10秒81 6 金森 和貴 島根 松江北高 10秒82 7 魚里 勇介 兵庫 滝川二高 10秒82 同タイム7 日沼 凌介 北海道 北海道栄高 10秒82 同タイム鹿児島の橋元・・・!
…ある優しくおとなしい少女が小学校で苛めを受ける。その苛める側、苛められる側、その取り巻きの人間模様と陰湿な手口と心理描写の見事さ。そしてその蹂躙された心の痛み、心の叫びを泣きたいぐらいに必死に叫びながら「絶望的」に無力で頼りにならない教師やクラスメート。…家庭内の著しい歪みと変質した兄妹関係によりサディズムの鬼のように精神の歪んだ苛める側の一人。片親違いの兄(ああなるにはこれ以外考えられない)に近親相姦。反吐の出る捩くれまくった精神と腐臭を上げる家庭環境「そのもの」の醜さ。…こういうのはたいてい親も腐ってる事が多いが…実の我が子の生き方をまるで所有物であるかの様に束縛し強制してそれまで必死に耐えてただ唯一の救いで光だったシイナへの「決定的な」ワンアクション。ついに「抑えていた全て」が爆発する。…そして最後の最後で「何故人を苛めてはいけないのか」「何故人を殺してはイケナイのか」を痛烈に問い掛ける。…重い一冊です。…私には「いじめ問題に加害者はいない。しいて言うならばその全てが私達歪んだ大人社会の鏡であり被害者ではなかろうか」という著者の鬼頭氏の潜在的メッセージ性を汲み取った。似たような事を巻末のコメントで著者の方も述べられています。私も同感です。
一度でも良い。未見の人は必ず観て欲しい。
私たち人間全てに共通する問題だと思うから。
人が組織をつくり組織が社会を築いている限り。
星五つ。