私立探偵 濱マイク DVDヴァージョン 8 石井聰互監督「時よとまれ、君は美しい」
放送時には何かと物議を醸した本作の中でも1,2を争うエピソードと思う。石井聰互監督はマイクの内面に深く立ち入り、ややもすれば内省的な内容ながら銃撃戦の最中にマイクが幻想(あるいはもうひとつの現実)を見るなどシリーズの中でも異色作と言える。ヒロインの渡瀬美遊が透明感あふれる演技で魅力的。マイクとの出会いも面白い。しかしこのシリーズ、全体で言うと不満も多く残る。まずマイクのキャラクターが少し紋切り型で面白みがない。それを取り巻く人物も十分に生かしきれておらずすべてのエピソードを通して100%楽しめたかというと疑問。しかし昨今のテレビドラマ事情を考えるとかなり刺激的な試みだった。DVDではTV版のオープニングが未収録で残念。この番組の某プロデューサーがある雑誌でDVDの映像特典について語っていて、濱マイクシリーズのDVDにはこれでもか、と言わんばかりの特典が入っています、と自慢気に語っていた。その割にはゲストのプロフィールはない、メイキングも製作者の独りよがりのよく分からない自己満足(時間のムダ)、オープニングは入っていないで不満がいっぱい。ディレクターズカットならどこがそうなのか解説を入れろ!作品としては◎、DVDソフトとしては×××です。某プロデューサー(仙頭武則)、パート2を作れ!
あの日の僕をさがして [DVD]
当時、放送を見て出演者ではなくドラマの舞台の安曇野・松本が好きになり、よくドライブに行きドラマに出てきた神社や美術館など偶然見つけては喜んでました。なによりも安曇野の自然とドラマ主題歌が合ってて、田舎者の僕としては住みたくなる環境を感じれるドラマですね。
私の嫌いな10の人びと (新潮文庫)
読み終えて,正直ちょっと “しまった” と思いました.
うかつに,この本を手に取らない方がいいでしょう.
おそらく,怒りで最後まで読めなくなるでしょうから.
でも,なんとも目を引くタイトルじゃないですか.
おまけに目次を開くと,
・笑顔の絶えない人
・常に感謝の気持ちを忘れない人
・いつも前向きに生きている人
・自分の仕事に「誇り」をもっている人 etcといった
通常世間一般では “いい人” と賞される人々が並んでいるんです.
なぜ,これら“いい人”を嫌うのか.その言い分をのぞいてみたくなりました.
読んでみて思ったのは,この日本という社会は,マイノリティに対してなんとも,無情な社会であるということ.
思考停止によって産み出される定型を,無自覚に,無邪気に振りかざすことによって,とても暴力的なやりとりが日々行われていると言うことを.
この本を読み終えて,私は,以前より少しこの社会で,生き難くなってしまったかもしれない.
そういう意味で, “しまった” という本でした.
漢文スタイル
いきなり本文が始まって、同じ調子で淡々と続く。日本と中国の文学史を逍遙しながら、過度に情熱的になることもなければ、くだけすぎることもなく、品位を保ったまま同じペースで歩んでいく。そんな講義録風の印象を持つ本書は、苦手な一科目に過ぎなかった漢文に新しい魅力を見せてくれた。
特に印象的だったのは、かつては総ての教養が四書五経に根ざしていて、それを引用しながら拡張して詩作で自らを表現することが知識人の基本であったという事実を改めて認識したことだ。漢文的表現は故事成語の解釈として老荘の教えや、三国志、水滸伝といった部分的文章でしか触れていなかったし、詩文にはあまり興味は無かったのだが、少し見方が改まった。
中国古典が日本歴史を遙かに越えた古代のものであることに感嘆したり、幕末の志士、森鴎外、夏目漱石または魯迅など近世から近代に至る知識人のエピソードに感心したりと、楽しませて貰った。
あとがきによると書名に「漢文」とつけることには踏ん切りがいったそうである。しかし、中島敦への論評をに対して「漢学的教養が強調されるのだが、素養なるものをブラックボックスのように扱って、折り畳まれた襞の深さに及ぶことがないのなら、かえって目が曇りはしないか」と論者に冷や水を浴びせるところに、漢文を自ら踏まえてきた著者の矜持を感じて、「やるなぁ〜!」と痛快だった。
SAKURA~花霞~
「桜色舞うころ」は和テイストだけどすごく魅力的だったし、地味ではなく、むしろ色気がある。
でもこのSAKURA~花霞~は良い曲なんだけど、かなりもの足りなさがある。
まだ「一番綺麗な私を」の方が全然良い曲。
買った当初はハマったけど、数ヵ月もすればすぐ飽きた。
桜色舞うころという名盤がありながら、この曲をシングルとして発売した意味が分からない。
桜色舞うころとはまた違った雰囲気の桜ソングだったなら話は別だけど。
これは「流れ星」に対しても言えることかな。