ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド Blu-ray
私、実はこの商品の日本版を購入していません。私が買ったのは、10月10日発売の、刻印のないデラックスエディションUK版です(アマゾンUKで買いました)。ですから、ここにレヴューを書く資格がそもそもあるのか、自分でもよくわかりません。
しかし、この商品に限らず思うのですが、なぜ発売前、それも上映もされていない・見ていない映像の商品化に対してあれほど非難が巻き起こるのか。そもそもそれって、立派な「営業妨害」ですよね?ファンというだけで、どうしてそこまで自分の主張を垂れ流す「権利」を持っていると考えられるのか、全く理解に苦しみます。
という理由で、私も当初、この作品へのレビューを書くことにためらいがありました。でも、無事に劇場公開も終え、ようやく日本版も出た事ですし、遠慮がちですが、書かせてもらうことにしました。ちなみに、このタイミングで、と思った理由には、前記のような「愚痴」と一緒くたにされたくない、という思いもあったことを付け加えておきます。
で、肝心の感想、なのですが。その前に、私の彼に対する好き度合いを書いておいた方がいいかなあ、と思います。
私は、ビートルズはビートルズとして、4人がそろっているのが大好き。ジョンレノンは、ソロ時代、傑作が何枚もあるしそれは好きだけれど、ほとんど今好き好んで聞こうとは思わない。一時期に聞き過ぎたせいもあるだろうし、わりとヘヴィーなものが多いからでしょう。ポールは音楽家として破格の才能の持ち主だと尊敬もしていて、日常的に聞く機会も多い。リンゴは...まあ、ドラマーとしては世界有数の才能の持ち主のひとりだと思うけれど、彼のソロを聞こうと思う事は、滅多にないですね。
で、ジョージについては、傑作は何枚かあるし("All Things ...", "George Harrison", "Cloud Nine"など)それらは大好きだけれど、音楽性から言えば、比較するのは問題もあるけれど、ポールの「普遍性」に比べると「個性」という風に捉えていて、正直に言えば、単調だと思うものも多い、と。
というわけで、以下の感想は、そういう私の主観から見たものだという事を最初にご承知ください。
映画は年代を追って、彼の幼少期、バンド加入、それが全世界的に狂乱を生むビートルズとなっていく過程をまず追います。ただ、ここに関しては、レアなフッテージを多数含んでいる、とは言うものの、ビートルズを主体に考えれば、既に「アンソロジー」という傑作ドキュメントがあるわけで、その点では、驚くほどの発見はありませんでした。ただ、ジョージ本人が当時どういう心境だったかが、本人生の証言で聞ける点では、「アンソロジー」よりも内容は深いです。
そして、パート2。解散後の彼の姿が、豊富なホームビデオの映像とともに綴られていきます。ソロ時代のアメリカツアーのバックステージを含む貴重な映像、モンティパイソンらのイギリスコメディ界との交流、オートレース界との交流。私はいわばミーハーファンですから、この辺りの事情も知ってはいましたが、当人達の発言、そこで語られるエピソードは興味深かったです。が、これも正直言えば、「記録の再確認」といった感じがどうしてもあり、ということは、これがいわゆる、「マニア」むけではなく、正統的に作られた「一般観客向け」な映画だという事がわかりました。
といったところで、一つ思ったのが「一体、ビートルズの元メンバーという認識を離れて、彼個人に興味がある人がどのくらいいるのだろう」ということです。書いた通り、私は、その視点で見るのに適切な者ではありません。そこのところが逆に知りたくなりました。
映画としては、正当なドキュメンタリーとして評価していいと思います。そして、マニアな方は、デラックスボックスを買い、全篇未発表曲の付属CDを聞けばいい、という、まあ、なんと良心的(?)というか、そういう作品(商品)でした。
以上感想でしたが、最後に、個人的に見どころだったところをいくつか挙げておきます。
・かの有名な、当時の妻を巡る顛末について赤裸々に語る、クラプトンと、パティボイド(しかも、現在のパティの姿が、ある意味、衝撃的)
・悲惨だったと言われている、74年(?すみません、確かじゃないです)で、完全に声がかれた状態で懸命に歌うライブ映像と、バックステージで必死にうがいをするジョージ
・「ジョンレノンが死んだとき、彼は激怒していた。あんな風に魂と肉体が無理矢理引きはがされるなんてひどすぎる、と」という第3者の発言から伺える、彼の死生観。
(ついでに、生前息子に「私は死んで、肉体は滅びるが、魂(?存在といった方が近いかも)は、いつでも側にいるよ」と言っていたそうで。そういう考えだったんですね)
・がん宣告の後、自宅で静養中に、自宅に強盗が押し入った際の状況を、妻のオリヴィアが生生しく語るシーン
そして
・リンゴが、生前最後に彼をお見舞いした時のエピソードを語り、思わず涙ぐむシーン
等身大で見て、大勢の友人に恵まれた人物だったのだなあ、と改めて思いました。
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映画が公開前から沢山の、しかも否定的なレビューが多く辛かったです、その人たちはどうやって作品を見たのでしょう?
というわけで11月19日、全国公開日の一度目を見て帰ってきてレビューを書いております。
映画は3時間半の長尺物を前編、後編に分けて一挙公開、3枚組のアルバムでソロデビューを図ったジョージらしさを表しているようで嬉しかったです、パンフレットの販売は無いものの全員にポスタープレゼントがあり、テンションがあがります、こりゃ来日公演以来の祭りだぜい!!(ちなみに料金は3D映画並み)
映画は第二次世界大戦終了の映像のあとジョージの実兄二人の登場で期待が高まります、ファミリー公認映画で貴重な写真が見れることが実証されたようなもの。
実際に公式写真、レア物、未公開物の映像、写真を交えながらお馴染の回顧形式で有名なエピソードの数々が語られていくわけですが、どうしても
話の中心はジョン、ポールになっていくわけで複雑な気持ちに・・・確かにレノン・マッカートニーの曲・映像抜きでは語れないのですこの時代。
プロデューサーのマーティン氏の言葉を紹介すると「ジョンとポールが曲を作ってきてジョージはアレンジから参加する構図が出来上がっており、
ジョージは曲作りでは完全に放置されていた状態で、気の毒に見えた」ジョージは一人で曲作りを始めなければならず、二人の作風を真似ることは避けたようです。前編はインド音楽を経てアヴァンギャルドな電子音楽に目覚めたジョージで幕、ちょっと長く感じました。
後編はポップソングに回帰したジョージがヒット作・名作を作り出すところからスタート、もはやレノン・マッカートニーの曲を流さずとも語れる
時代到来です、ここからの5年が音楽家としてのピークでしょうか? "All Things...."のレコーディングが長期間にも及んでもジョージはとても精力的だったようでフィル・スペクター曰く「ジョージには時間の観念が無い(笑)」
その後のジョージの快進撃は皆が知るところなので省くとして、74年の全米ツアーの映像が断片ながら見れるのも嬉しいところで歌い方、衣装、テンションが普通じゃないです。その後のワーナーに籍を移してのソロ活動は全く描かれず、ダニー誕生だけでその時代は無かったかの様になっています。気がつくと覆面バンド、トラヴェリング・ウィルビリーズのレコーディングとビートルズ・アンソロジープロジェクト時のポールとの再会映像、自分が見た限りこの時期のジョージが一番楽しそう。そして気がつくと99年ジョージとオリビアを襲った侵入者とのすさまじい格闘を
語るオリビア本人、ところがコレをすごく明るい口調で説明してくれたはファンへの気遣いかも。
以上本編を見た感想です、途中抜けている10年分のエピソードは別の機会ということでしょう、91年の日本公演も含めて・・・
(追記:マイケル・ジャクソンの映画もそうだったのですが二つレコード会社がある場合どちらか1社のみ協賛となるようで、つまり、ジョージの場合、EMIがメインなので、ワーナーには遠慮していただいたのでは?貴重な音源・映像を使うのでEMIの協賛なしでは難しかった、ビートルズ時代の描写が長いのも頷ける)
冒頭にも書きましたが、商品化されるこの作品の値段が高いとの評論が多いのが悲しいです、映画としては2本分あるので、それに様々な
オマケがついているのです、商品を手にしていないのに商品をこき下ろすのはどうかと思います、私自身、商品も購入予定なのでその際
追記させていただくこと約束します。
エリック・クラプトン自伝
訳のせいなんか、原文がそうなのかはよく分からないのですが、やや読みづらいです。文体になれるまでかなり時間がかかります。
おそらく、訳者が未熟なためと思われます。
訳を作り直してほしい。
ニュースなどですでに知っている事実を網羅しているだけで、とりたてて、おお!という内容がありませんでした。