I.O.U
自分のやりたい音楽を追求するためにそれまで使用していた機材等も全て売り払って自主制作盤として発売した正に入魂の1作。アランの作品では何百回も聴いている、20年以上の私の愛聴盤。ディストーションがかかっているのか生音なのか何とも判別がつかないようなサウンド、ピアニストだった父親の影響で独自のヴォイシングに至ったコードワーク、ヒネるような誰もやらないスタイルのアーミング、作曲手法もこの作品で完全に確立されたと感じます。
未だにこれ以降の作品は本作品の発展形、焼き直しの感じがしてしまうのは私だけでしょうか。セッション参加も多いため、どれから聴くか迷っていらっしゃるアラン未体験の方は本人も「初めてやりたいことができた」とコメントしていた本作からのスタートがよいと思います。
Allan Holdsworth [DVD] [Import]
アラン本人による教則映像。
アランがよく使う10のスケールを表にして解説してくれますが用法やリックまでは説明してくれません(笑)
また、コードフォームに関しても細かい説明無し。
いくつかパターンをサラッと弾いて見せるだけです(笑)
また、映像の殆どは教則よりもスタジオライブ映像となっています。
お世辞にも親切な教則とは言えませんがファンなら買いですね。
日本語字幕もあります。
Allan Holdsworth/Alan Pasqua: Live at Yoshi's [DVD] [Import]
メンバー構成からして悪いわけはないのですが、期待通りのクオリティです。
素晴らしい。
カメラワークどうのってコメントも出ていてわからないでもないですが音楽
的には最高ですよ。メンバー見て買おうかどうか迷っている方がいらしたら
迷わず買いです。
All Night Wrong
2002年に突如として出現したアラン・ホールズワースのライブアルバムです。完璧主義者ゆえに、不確定要素が多いライブ盤の発売を頑なに拒んできた彼ですが、そんな頑固者のアランさんが自信を持って(笑)世の中に送り出した初めてのライブ盤だけに、これは大変な傑作です!これは聴く前からわかっていました!
ギターシンセの導入、スタンダードナンバーへの挑戦など、個人的な感想・見方ですが試行錯誤を繰り返してきたアランさんですが、このライブでは「原点」に戻った姿が見られます。そう、とにかく弾きまくっています!ギターをもった渡り鳥(喩えが古すぎです)ではありませんが、どんなに立派な機材を揃えていても、演者の熱情が伝わって来なければライブとしては失敗です。ここでは、アランさんの乾坤一擲、気合が入ったソロが充満しています。特に1曲目のLanyard Loop でのソロは何度聴いてもため息が出てしまいます。
ところでアルバムタイトルの「All Night Wrong」ってどんな意味が隠されているのでしょうね?どなたかご存知ですか?
Secrets
変態&テクニカル系ギタリストの大御所、アラン・ホールズワースの1989年の作品です。問題作「Sand」で大胆にシンタックスを導入したために、UKやブラフォードあたりのプレイを聴いてホールズワースのファンになった人間にとって、「これからはギターを弾いてくれないのでは?」とやや敬遠気味になりつつあった状況があったのは否めない事実です。そんな(?)熱いファンの声が聞こえたのかどうかは別にして、この「Secrets」ではやや原点回帰した感がします。メンバーはジミー・ジョンソン(ベース)とヴィニー・カリウタ(ドラム)を基本に、スティーヴ・ハント、チャド・ワッカーマン、アラン・パスクァなどの名前が見られますが、Clair Holdsworthという女性ボーカルは彼の奥さんなのでしょうか?
1曲目の「City Nights」では、IOUの頃を思わせるような超絶ソロが聴かれ、昔から追いかけているファンもひと安心という感じです。曲も大変美しく、いわば名曲の予感が漂います。2曲目の「Secrets」ではホールズワースの作品としては初めて女性ボーカルを導入していますが、これも曲調とマッチしていて十分な納得感です。ここでは例のシンタックスを弾いていますが、「Sand」で感じられた違和感はさほど感じません。やっと使いこなせるようになったということで、ここでもまた安心です。結局、全8曲中、シンタックスを使用しているのはこの曲を含めて3曲で、本来のギターとのバランスとしては、これくらいが適度なのではと感じます。
このアルバムはなぜか地味な存在ですが、谷間に咲いた一輪の花という感じで、大変美しい作品だと思います。ファンならずとも、テクニカル系ギタリストが好きな人にとってはマストアイテム。